弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第337回
倖田來未さんは、活動自粛よりも

少し前に、歌手の倖田來未さんが、
ラジオ番組で、一定の年齢以上の女性を傷つける
医学的に根拠のない発言をしたことが話題になりました。
そして、倖田さんは、
一定期間活動を自粛しているようです。
こういうときに、活動を自粛するのも
反省を示す1つの方法ではあります。

しかし、実は、それは、
じっとしていれば、人は忘れ、
嵐が収まるのを待つというもので、消極的な対処法です。
特に、今回の発言は、
若者向けのラジオ番組で、
冗談で言われたもののようで、
そのような発言で、
活動自粛に追い込まれたということで、
倖田さんのファンである若い女性は、
そんなことでいちいち目くじらを立てるなと、
この発言の問題を理解しないで、
ただうるさい奴が
倖田さんを活動自粛に追い込んだと考えてしまうでしょう。

それで、一定の自粛後、活動を再開したら、
何にも残らないのではないでしょうか。
倖田さんが活動を自粛すれば、
その関係で仕事をしている人は、
仕事がなくなったり、
収入がなくなったりしてしまった可能性もあります。

これらを考えれば、
倖田さんは、活動を自粛せず、
自分の発言のどこが誤っていたかを、
ことあるごとに説明して、
一般の人が、一定年齢以上の出産に対し、
正確な理解・知識を得られるようにしたら良かったと思うのです。
そして、自粛期間に相当する活動中の利益については、
全て一定年齢以上の出産を支援するような活動に寄付をすれば
良かったのではないでしょうか。
そうすれば、倖田さんのファンの女性は、
一定年齢以上の出産について
正確な理解をするようになるでしょうし、
倖田さんの活動を自粛に追い込んだ人たちを恨むこともありません。
倖田さんが利益を自分が傷つけた人たちのために使うのであれば、
積極的に応援するでしょう。
倖田さんの発言で傷ついた人たちも、
倖田さんが正確な知識の普及や
支援を実際に行ってくれるというのであれば、
本当に反省しているということがわかって、
許してくれるのではないでしょうか。

もちろん、
自粛により仕事や収入がなくなるはずの人たちも、
それらを失わずに済みます。
僕は、危機管理の対処法として、
このようなことを考えるのですが、みなさんは、どう考えますか?
ちなみに、僕は、
倖田さんのファンでも、何でもありません。





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2008年3月4日(火)

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