弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第339回
地上げ交渉で逮捕!

以前、東京の地価が高騰してきたので、
地上げ屋が復活かというお話をしました。

やはり、マスコミで取り上げられなかっただけで、
地上げ屋が暗躍していたんですね。
暴力団関係者と関係のある地上げ屋が、
弁護士の資格もなく、
ビルの立退き交渉を行ったことを理由に逮捕されました。

ビルの立退き交渉は、
ビルの所有者が自ら行うのであれば法律上問題がありません。
しかし、依頼を受けて有償で行うには、
紛争を解決するための交渉になるので、
弁護士でないとできません。

このケースでは、
依頼した会社は上場企業で、
警察OBや検察OBが取締役を務めていながら、
暴力団関係者と関係ある者に
弁護士法違反という違法な行為を依頼したというのですから、
かなり悪質です。

しかも、違法だということを知っていたためか、
契約上は、所有権を依頼先に移転したということにしていました。
登記を移転しなかったのは、
登録免許税が結構かかるからだと思います。

ビルの立退きには、大きなお金が動くため、
怪しい人たちが、
所有者の代理人あるいは仲介者として、
出てくることがあります。

これらの人たちがやっていることは、
違法だということが今回の事件で、
世の中に知れ渡ったことはよいことだと思います。

ちなみに、立退き交渉だけでなく、
債権の取立交渉やや交通事故の示談交渉なども、
紛争を解決するための交渉なので、
弁護士以外が依頼を受けて有償で行うことはできません。

みなさんはしないとは思いますが、
相手がこれを行えば、
弁護士法違反で違法な行為ですので、
覚えておいて損はないと思います。





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2008年3月11日(火)

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