弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第342回
借地権売買で一家心中

みなさんニュースでご存知だとは思いますが、
先日、一家心中があり、
その際、父親が子供の手を斧で切り落とす(子供は生存)
という痛ましい事件がありました。

その中で、借地権売買には、
地主の承諾が必要なのにそれを知らずに売買してしまって、
後から地主の承諾が得られず、
トラブルになったことが原因かもしれない
という報道がありました。

土地を借りて建物を建てている場合、
借地権を持っているということになります。
以前ご説明しましたが、
借地権は、土地を借りているだけのように思えるのですが、
一種の財産権として、
土地の50%から70%くらいの値段で売却することができます。

しかし、自由に売却することができるかというと、
基本的には、貸主である地主の承諾が必要となります。

地主は、借地権の譲渡を承諾しないことが多いので、
トラブルになりがちです。

ただし、地主が承諾しないときには、
裁判所に地主の承諾を得るための裁判を起こすことができます。

一般的に、裁判所は、
借地権の買主に資力がない、
あるいはよほど問題のある人物でなければ、
借地権価格の10%の承諾料を支払うことと引き換えに、
地主に承諾するよう決定を出します。

だったら、問題がないように思われますが、
この裁判所に地主の承諾を求める裁判には、
承諾料の算定のために、半年くらいかかります。

だから、借地権の売買の契約で、
地主の承諾を取る期限を半年以上先にしてもらうか、
一定期間に地主の承諾が取れない場合には、
違約金を支払うなどのペナルティなしで、
解約できるような条項を入れておく必要があります。

普通の人は、
借地権が財産として売却できることも知りませんし、
その売却する際の注意点もわかりません。
だから、借地権の売却を巡っては、
不動産業者とトラブルになるケースも少なくありません。
借地権の売買については契約を結ぶ前に、
弁護士に相談することをお勧めします。





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2008年3月20日(木)

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