弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第418回
タレントとボクサーが無罪に

みなさん、既に、新聞やテレビの報道でご存知だとは思いますが、
以前、恐喝で逮捕されたことをこのコラムで取り上げた
タレントとボクサーに対する刑事事件の判決が出ました。

結果は、無罪でした。
以前コラムで取り上げたときは、
交渉を弁護士以外に依頼すると、
恐喝などに問われる可能性があるというお話をしました。

取り上げた事件の判決が出されたので、
それについてもコメントした方がよいかと思い、
判決についても取り上げて見ます。

新聞では、詳しい判決内容が出ていなかったので、
よくわかりませんが、起訴された理由は、恐喝未遂で、
タレントが、4億円の返済義務があったところ、
脅かして、1000万円を支払うことで、
残りは免除させようとしたというもののようです。
(逮捕されたときの記事と判決の記事からの推測で
金額などは不正確です)

それから、40万円で購入した株を
120万円で購入したかのように騙して株を買わせた
という詐欺罪でも、起訴されています。

判決では、そもそも、この詐欺自体がなく、
タレントには4億円の返済義務がなかったのだから、
恐喝にはならないということのようでした。

僕が予想した弁護士が立ち会っているのに
恐喝が行なわれたのかとか、
交渉を依頼しただけで
恐喝をするとは思わなかったとかについては、
裁判で争点になったのかもわかりませんでした。

民事でも刑事でも、
裁判は、相手の話を聞いてみると
ぜんぜん違う見方が出てくるときもあるので、
最初の当事者の一方の話だけでは、
事案の全体や争点がわからないこともあるのです。

この件は、検察官が控訴したので、
控訴審判決が出されることになりますが、
どういう結論となるでしょうか?
判決が出たら、また取り上げます。


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2008年12月23日(火)

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