弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第515回
賞与が20年前の水準って悪いことなの?

先日、日経新聞に、
今年の賞与が20年前の水準まで落ち込んだ
という記事が掲載されていました。

僕は、ちょっと、この見出しを読んで、違和感を覚えました。
というのは、20年前というと、平成元年のことです。

いわゆる「バブル経済」と言ったときには、
平成元年から平成2年のことを指します。

だから、ボーナスが20年前の水準になったと言えば、
ボーナスがバブル経済のときの水準になったということです。

バブル経済のときのボーナスは、
良かったと聞いていますから、
当然、今よりも良い(金額が高い)と思っていました。

だから、ボーナスが
20年前の水準まで落ち込んだというのは、
おかしいんじゃないかと思ったわけです。

ちなみに、平成元年から
平成2年というバブル経済のときは、
僕は、司法浪人をしており、
世の中がどうだったかは、実体験がありません。 

そこで、20年前の
いわゆるバブルのときのボーナスはどうだったのか、
統計を調べてみようかと、
ネットで調べてみました。
(こういうとき本当にネットは便利です)

ところが、国税庁の統計によると、
平成元年の平均賞与は84万円でした。
これに対し、平成21年の統計はまだなく、
平成20年の平均賞与は64万6000円でした。

今年(平成21年)は、去年(平成20年)よりも、
ボーナスが下がる見込みが高いでしょうから、
平成20年の64万6000円よりも下がるはずです。

ということは、20年前の水準よりも
今の方が遥かに低い金額となっているということです。

ちなみに、国税庁の統計によれば、
一番高いのは平成3年で、
バブル崩壊直後で、95万円でした。

日経新聞の記事よりは、国税庁の統計の方が、
今の方がバブルのころよりもボーナスが少ないということで、
一般人の感覚に合っていると思います。

日経新聞と国税庁とでは、
統計の取り方が異なるので
こういう結果になったのだと思いますが、
あの日経新聞の記事というか
見出しは何だったのかなと思ってしまいます。

国税庁の統計を元にすると、
平成20年の64万6000円という平均賞与の金額は、
昭和57年の67万3000円を下回っていることから、
ボーナスは、20年前どころか、
26年前の水準よりも低いということになります。
(昭和57年以前の賞与金額は
国税庁のデータがありませんでした。)

だから、国税庁の統計を元に新聞の見出しとしては、
「賞与が昭和57年の水準まで落ち込んだ」とか、
「26年前の水準まで落ち込んだ」の方が、
インパクトがあるしわかりやすかったような気がします。


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2009年12月22日(火)

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