弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第532回
婚活詐欺

最近、婚活が流行っているようです。
結婚のための活動なので、流行るというのもおかしな話ですが。

さて、この婚活では、当然のことながら、
お見合いパーティーやネットお見合いなど、
見知らぬ男女の出会いを
組織的に支援してくれる場に参加することが多いようです。
もちろん、大部分の人は、純粋に、
生涯の伴侶となる異性との出会いを求めているのでしょう。

しかし、一部の例外的な人は、
お互いの素性がわからないことをよいことに、
生涯の伴侶を強く求めている相手の弱みに付け込んで、
金銭的な利益を得ようとしているようです。

男女問わず、婚活目的のパーティーや
ネットで出会った異性に対し、将来の結婚をちらつかせ、
金銭の借用や援助を求めてきます。

婚活目的のパーティーやネットでの出会いでは、
主催者によるのでしょうが、
経歴や職業、収入、年齢などを偽ることは簡単のようです。

これから交際していくかもしれない、
しかも、好ましい外見や肩書き、
ときには、収入を持っている相手に対し、
いちいちその裏づけや証拠を見せて欲しいなどを言っては、
理想の結婚相手を失ってしまうかもしれません。

しかし、詐欺師ほど、相手のそのような心理をお見通しで、
平気で、職業や経歴、収入などについて、嘘をつきます。
正直、2、3度デートしたくらいで、
相手の職業や経歴や収入なんて、見破るのは不可能でしょう。

そこで、少なくとも、お金を騙し取られないようにするためには、
どうしたらよいでしょうか。
みなさんは、おわかりだと思います。

交際間もない相手から金銭的な相談をされた場合は
お金を出さないということですね。

まだ、交際が始まったばかりなのに、
お金の無心をしてくるのは、明らかにおかしいです。
よくあるのは、収入が多いはずなのに、
一時的に資金が足りないから貸して欲しいというもの。

収入があるのであれば、
交際したばかりの異性から借りる必要はありません。
どこからでも調達できるはずです。

もし、金銭の援助を断ったら、
交際がうまく行かなくなるでしょうか。
お金を貸してくれない相手とは交際できないという相手は、
あなたのことを好きだから交際しているのではなく、
金づるだと思って近づいた証拠です。

普通は、本当に好きな異性に対しては、
金銭的な負担はかけないようにするでしょう。
埼玉では、婚活詐欺から殺人までに発展した
という疑いで逮捕者が出ました。

事件にならない小さな婚活詐欺は、結構あるようです。
婚活中の方は、婚活に金銭が絡む相手は避けるようにしてください。


←前回記事へ

2010年2月25日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ