弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第583回
琴光喜の解雇は?

もう大分前になりますが、
琴光喜関が日本相撲協会から解雇の処分を受けました。

その理由は、野球賭博で大金を賭けていたということのようです。
理事会に虚偽の報告をしていたことも、その理由のようです。

当時、暴力団と相撲協会とのかかわりについて、
社会的な批判を浴びていて、
名古屋場所を開催できるか
という大騒ぎの中での相撲協会の信頼を回復するために、
厳しい処分を下したのだと思います。

詳しい事情はわかりませんが、
もともと琴光喜は、賭博について認めていなかったのが、
自主申告をすれば悪いようにはしない
ということで始まった相撲協会の調査の中で、
賭博行為を認めたという報道もありました。

悪いようにはしないと言っておいて、
本当のことを言わせておいて、
解雇では、だまし討ちに近いと思います。

やった行為についても、
確かに、賭博行為は犯罪で悪いことですが、
小さい賭け事は誰しも経験のあることです。

報道ではわかりませんが、
琴光喜が暴力団関係者との関係が深かった
ということでもなさそうです。

そうだとすれば、賭けた金額が大きかったからと言って、
賭博行為で、解雇は、重すぎる処分だったと考えます。

今回のケースで言えば、解雇でなくても、
幕下以下からやり直させるとか、
ボランティア活動に専念させるとか、
いろいろ方法はあったと思います。

昨今のマスコミ報道では、違法な行為を行うと、
その違法性の大小に関わらず、
厳しく叩かれてしまう傾向にあると思います。

一度でも過ちを犯したら、何でも排除するような風潮が、
日本は、一度失敗したら二度と許さない
という雰囲気をかもし出し、
現在の閉塞感を生んでいるような気がします。


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2010年9月9日(木)

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