弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第589回
保証人は辞められない

前回、保証人は、簡単にならない方が良い
というお話をしました。
今回は、その続きのようなお話です。

保証人の相談で、結構あるのが、
今保証人をしているのだけれども、
保証人を辞めることはできないかというものです。

答えは、
「保証人は、一度なると、
債権者の承諾がなければ辞められない」です。

このように、相談者に回答すると、
「では、銀行に言ってみます」
と簡単に承諾が得られると思っている方が結構います。

しかし、それまで連帯保証人だった人が連帯保証人を辞めると、
連帯保証人がいなくなってしまいますから、
ただ連帯保証人を辞めることに承諾してくれる債権者はいません。

連帯保証人を辞めるには、
それまで連帯保証人だった人と、
同等以上の収入と資産がある人が
代わりに連帯保証人になってくれる必要があります。

そのような保証人が見つからないことも多いのですが、
そのような保証人が見つかっても、
銀行は連帯保証人の変更に応じない場合もあります。

特に、連帯保証人を辞めたいと思うときには、
主債務者である個人や会社がうまく行っておらず、
返済が危なくなってきたときが多いので、
そのような状況では、
代わりに連帯保証人になってくれる人も見つからないでしょうし、
銀行も簡単に変更に応じてはくれません。

会社の代表取締役が会社の連帯保証人になることが多いですが、
会社の代表取締役を辞めたとしても、
連帯保証人を辞めることができない場合も多いです。

このように、保証人は、一度なってしまうと、
辞めたいときに辞めることができません。

だから、「迷惑をかけない」と言われたからといって、
簡単に保証人になるのは止めた方がよいのです。


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2010年9月30日(木)

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