弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第595回
スケベ心で・・・

以前、「スケベ心で、大変な被害に
というタイトルで、お話をしました。

今日は、そんな大きな話ではないので、
タイトルを「・・・」とさせていただきました。

今日は、ワンクリック詐欺の話です。
ワンクリック詐欺は、一般的に、次のようなものです。
まず、パソコンや携帯に、メールが届きます。

そのメールには、「エッチな画像が無料で見られる」
というような内容が書かれています。

そこで、ちょっと気になって、クリックしてみると、
サイトが開いて、年齢認証の画面が出てきます。
年齢認証のボタンをクリックすると、
「有料会員に登録されました。○万円支払ってください」
という表示が出て、
「無料のはずだったのに、何で?」ということになります。

退会メールを送ると、
「登録料あるいはキャンセル料を支払わないと、退会できない。
支払わない場合は、家に取りに行く」
などのメールが届くというものです。

法律上、代金等の契約条件が明示されていなかった場合は、
契約は成立していないか、無効です。
したがって、登録料やキャンセル料、
利用料など代金を支払う必要はありません。

ホームページにアクセスしただけでは、
みなさんの住所や電話番号は知られませんので、
この点も心配する必要はありません。

メールを返信したとしても、
住所や電話番号を記載していなければ、
相手にはメールアドレスしかわかりません。

したがって、相手が家に来たり、
裁判を起こしたりすることはかなり難しいです。

だいたい、ワンクリック詐欺をするような業者は、
費用も労力もかけずに儲けようと思っていますから、
住所や電話番号などを、費用をかけてまで調べたりはしませんし、
家に行ったり、裁判にかけたりもしないのが普通です。

そこで、ワンクリック詐欺に引っかかったとしても、
ひたすら無視するに限ります。

万一、メールではなく、裁判所からの通知が届いた場合には、
弁護士に相談した方がよいでしょう。
裁判所からの通知は無視すると
相手の請求が認められてしまう可能性があるからです。

ただ、ワンクリック詐欺のケースで、
裁判所から通知が来たという相談は、
受けたことがありませんので、
その点では、安心しても良いかもしれません。

知らないアドレスからのメールには、
くれぐれも注意した方がよいでしょう。
普通、あなたの知らない人が、
あなたに無料で良い思いをさせるわけがないからです。

安易な気持ちでクリックしてしまうと、
ちょっとしたスケベ心を後悔することになるかもしれませんよ。


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2010年10月21日(木)

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