弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第629回
子供名義の預金は、遺産分割の対象となるか?

親が自分の子供に預金や保険を残してあげようと、
親の名前ではなく、子供の名義で預金をしていたり、
保険を掛けていたりすることは、よくあることです。

では、この預金や保険は、誰のものでしょうか。
親が管理していて、
子供に渡さない間に亡くなってしまった場合には、
それが遺産だとして、相続の対象となるかがよく問題となります。

預金や保険の名義が子供のものである場合、
名義人である子供に対し、贈与がされたということであれば、
この預金や保険は、遺産分割の対象とはなりません。

ところが、この預金や保険について、
その名義人である子供は全く知らず、
お金は親が出して、手続も親がしていたとなると、
名義は子供のものであっても、
親のものじゃないかとも考えられます。

預金や保険が親のものであれば、
遺産分割の対象となります。

預金や保険が遺産分割の対象となるとすると、
基本的には、相続人が法定相続分にしたがって、
取得することとなります。

預金や保険が誰のものかで、全部自分のものとなるか、
法定相続分で他の相続人にも分けるかが違ってくるのです。

裁判所の考え方は、どうかと言うと、
基本的には、預金や保険の名義には関係なく、
お金を出して、預金や保険の契約手続を
している人のものということになっています。

したがって、子供の名義になっていても、
親が子供名義で預金口座を作り、
お金を親が預金していたなどの事情がある場合は、
その預金は親の遺産として、遺産分割の対象となるのです。

ただ、遺産分割の際に、相続人全員で、
親がその子供の名義にしていたのだから、
遺産分割の対象から外すという合意ができれば、
無理して、遺産分割する必要はないことは、もちろんで、
むしろ親の意向を考えれば、
そういう取り扱いをした方がよいかもしれません。

名義人である子供に贈与された
というケースもあるかもしれませんが、
その場合、贈与税がかかってくるなどの問題もあります。


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2011年2月22日(火)

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