弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第656回
公正証書にするとよいのは

みなさん、
公正証書という言葉はご存じだと思います。
公正証書とは、公証役場で作成してもらう書面のことです。

公務員である公証人が、当事者の話を確認して、
作成する文書が公正証書ということになります。

僕が、公正証書にしておくとよいと思うケースは、
主に、2つです。

1つは、遺言書です。

公正証書による遺言は、公正証書遺言といって、
公証人が遺言者の意思を確認して、作成する遺言書です。
これに対して、自分で書いて作成する遺言書を
自筆証書遺言と言います。

自筆証書遺言は、本人が書いたかどうか、
あるいは、誰かに無理やり書かされたかどうか、
痴呆などで遺言の内容を理解する能力があったかどうかなどが
争われることが多いです。

しかも、自筆証書遺言は、原本が1通しかないので、
紛失してしまえば、終わりです。
誰かが、破ったり、燃やしたりしても、
遺言書の再現は難しくなってしまいます。

これに対し、公正証書遺言は、公証人が、
遺言を作成するのが本人かどうか確認しますし、
一応、遺言書の内容を理解しているかどうかも、確認します。

公証役場では、原本を保管し、
検索もできるようになっているので、
本人が遺言書を無くしてしまったりしても、
遺言書を残しているかどうか、後で調べることができます。

したがって、遺言書を作成するのであれば、
公証役場に作成手数料を支払うので、
お金はかかりますが、自筆証書遺言ではなく、
公正証書遺言にしておくことをお勧めします。 


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2011年5月31日(火)

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