弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第714回
マンション管理費・積立金が危ない

日経新聞によれば、東証一部上場企業の元契約社員が
マンション管理組合の預金口座から
現金を騙し取ったとして、詐欺容疑で逮捕されました。

みなさんご存じのように、マンションは、
1棟の建物を1人が所有するわけではなく、
1棟の建物を何十もの所有者が
1区画ごとに所有権を持っています。
マンションの所有者のことを「区分所有者」と言います。

マンションの所有者は、
共同でマンションを管理、修繕をしていきます。
そこで、マンションの所有者は、
お金を出し合って、管理や修繕をすることとなります。

1所有者にとっては、通常月数万円の負担ですが、
何十戸もあれば、月単位でも結構なお金になりますし、
大規模修繕に備えての積立金は、
何千万単位のお金になります。

しかし、全部自分が負担しているのであれば、
そのお金がどうなっているかは、
みなさん関心を持つと思いますが、
自分が負担しているお金が少ない上に、
マンションで生活している上で支障がないと、
誰かがきちんと管理しているのだろうと、
あまり関心を持たなくなってしまいます。

マンションの管理は、
マンション所有者で作る管理組合が行いますが、
この役員も、日常生活で負担が重いので、
みなさん、なるべくならやりたくないと思っている方が
ほとんどだと思います。

マンションの管理組合は、
多額のお金を持っているにもかかわらず、
みなさん、面倒がり、あまり関心も持っていないのです。
そこで、管理業者などに狙われやすいのです。

それは、管理会社の従業員だったり、
長期的に管理組合の役員だったりします。

大規模修繕をしようと思ったら、
管理組合の口座にお金がなかったというケースもありますから、
誰かがきちんとやっているだろうと
他人任せにしないで、
少なくとも、管理組合のお金がいくらあって、
何に使われて、
今残高がどれくらいあるのかよく確認した方が良いと思います。


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2012年1月10日(火)

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