弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第715
管理組合の預金を狙う手口

管理組合は、一般に、マンション戸数が多くなればなるほど、
修繕積立金や管理費など多額の預金を持っています。

その預金を狙う手口としては、いくつかあります。
1つは、単純に、預金を下ろして
使ってしまうという手口があります。
もちろん、誰かが通帳をチェックしていれば、すぐにばれます。
しかし、特定の人任せにしておくと、誰もチェックしないので、
単純な手口なのに、長期間ばれないということもあり得ます。
通常は、印鑑と通帳を別々に管理するなどすることにより、
チェックはできていると思います。

次は、少し細工して、実際はやっていないし、
購入していないのに、修繕費、ごみ処理費、
物品の購入費など架空の経費を計上して、
その額を引き出すという手口があります。

修繕費、ごみ処理費、物品の購入費など、
それに見合った修繕やごみ処理がなされているのか、
物品が購入されたのか、それらの値段は高くないのかなど、
チェックすることが必要です。

さらに、手の込んだ手口になると、
修繕工事を業者と組んで、高額の修繕工事を発注し、
リベートを業者からの受け取るという方法もあります。
修繕工事の見積もりを、複数から取得していても、
業者間で話ができている場合もあります。
1社が知り合いの業者に依頼して
複数の会社の見積もりを持ってくるなどということも考えられます。

この辺になってくると、市場価格はどんなものなのか
把握しておく必要がありますし、
見積もりを出す複数の業者は全く別々に選んで
出してもらうなどの対策が必要となります。

これらは、実際にあった手口です。
管理組合の預金は、みなさんのマンションの価値を
維持するための大切なお金です。
他人任せに、しかも特定の人任せにするのは、
危険ですので、注意してください。


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2012年1月12日(木)

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