第70回
経営学! 経営の基本のキホン その4

さて、同業者の多数参入によってアナタのオンラインショップは危機を迎えています。どうすればいいのか?アイデアを練っている間にも売上はジリ貧になっていきます。

アナタは応急処置として定価引き下げでの応戦を決意。値引き競走に突入してしまいました。

その結果、仕入れ原価は同じでも、売り上げは80万円に減少してしまいました。
変動費率は0.81、平均粗利益は56%です。

このケースの損益分岐点を計算してみると以下のようになります。


    
なんと、損益分岐点は168万円(註1)にまで悪化してしまいました!

しかし、ここで初めてアナタの「数字に裏付けられた判断」が可能となるのです。
168万円の売り上げはムリだから商品転換を図るか、それとも、削れる部分を削って損益分岐点を引き下げることで経営を続けるか、具体的な数字を当てはめてシミュレーションすることができるワケです。また、このケースは経営にとって「粗利率設定」がいかに重要かを教えてくれているとも言えます。

特に、これからオンラインショップを始めようと考えている人は、一度取り扱い予定商品の粗利率を計算してみることをオススメします。計算方法は、

(売り上げ額-仕入れ原価)÷売り上げ額 

です。粗利率が分かれば、損益分岐点もある程度分かるハズです。

え? 算出された損益分岐点があまりにも悪かったら? うーん……、よほど格安の仕入れ先を探し出すか、思い切って商品そのものを変更するしかないでしょうね(苦笑)。


註1: 四捨五入してあります。


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2002年12月29日(日)

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