第167回
「パソメシ」番外編 パソコンは自分で作るもの! その4

さて、Microsoft社とApple社の裁判の行方ですが、
これはもうMicrosoft社に
いいようにやられてしまったと言って良いでしょう。
Microsoft社は有能な弁護士を多数雇って
「Apple社のGUIこそ
ゼロックス社のパロアルト研究所からパクったものである。
したがってそれの模倣をしたからといって
Microsoft社が訴えられるのは筋違いである」という
ヤクザ顔負けのムチャクチャな論陣(笑)を張ってきたのです。

結局、論点のいくつかのポイント(註1)に関しては
Microsoft社もパクリを認めて賠償金を支払いましたが、
それ以外の点に関しては
うやむやに終わってしまいました(註2)。

次々に企業買収とパクリを繰り返し
巨大になっていくMicrosoft社。
一方筆者の愛するMacOS
(漢字トークと呼ばれていましたが……)は
バージョンが7.5を過ぎると急激に
不安定なシステムとなってしまい、
おまけにこのシステムを
互換機(註3)にも搭載して販売するという
方針を打ち出すのです。まさに迷走するApple社。

筆者タニグチのパソコン的冬の時代です。
まさにビル・ゲイツの一人勝ちなんですが、
当時からビル・ゲイツの言動がオカシイと思っていたのは
筆者タニグチだけだったのでしょうか。
時代はやっとパソコン通信から
インターネットへと移行しつつある時期だったのですが、
どう考えても
「これからの時代はインターネット」
だと思えました。
しかしビル・ゲイツは
「これからの時代はパソコンを利用した情報家電だ!」
と息巻いていたのです。
このためMicrosoft社の対インターネット戦略は
大きく出遅れています。
ビル・ゲイツが全社員に向かって
「これからはインターネットという大きな波が来る」という
有名なメールを配信するのは
これから1年以上も後のコトです。

結局、この時のビル・ゲイツの時代の読み違えが
Microsoft社のインターネット戦略に大きな遅れをもたらし、
それを挽回するために無茶をした結果が、
現在のセキュリティがボロボロのWindows、
アメリカ政府を相手にした裁判(註4)という結果の
遠因となっているのです。


註1: MacOSでファイルメニューと呼ばれる一連のGUIなど。
註2: 筆者的にはココでキッチリと白黒付けておかなかったのが悔やまれます。この裁判がうやむやになってしまったコトで、Microsoft社は調子に乗って次はネットスケープナビゲーターのパクリを行うのですから。
註3: 現在では考えられませんが、当時はMacOSを搭載したApple以外のメーカーのパソコンが多数販売されたのです。
註4: 前述した通りインターネットエクスプローラーはネットスケープナビゲーターの完全なパクリですし、そのエクスプロラーをWindowsと切り離せなくするという無茶もインターネット戦略の致命的な遅れが遠因でしょう。

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2003年4月5日(土)

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