第186回
「パソメシ」番外編 パソコンは自分で作るもの! その23

パソコンの心臓部というか頭脳にあたるCPUの話、
続けていきたいと思います。

CPU自体は何で出来ているかというと
「シリコンウェハー」なるモノから作られています。
クリーンルームの中で巨大なシリコンウェハーを製作し、
そこから1個づつ切り出していくような作業を
想像してもらえればだいたい合ってると思います。
切り出された小さなシリコンウェハーの中には
電気の通り道がビッシリと張り巡らされており
(通り道1本のサイズの主流は0.13ナノミクロン)、
この中を電気がオン・オフで走り回ることによって
様々な命令に対応するワケです。

さて、このCPUを製作する作業は
非常に高度な技術が要求されます。
そのためCPUメーカー各社が、例え100個のCPUを作ったとしても、
その100個全部が予定通りに同じ動作をすることはありません。

もうすこし分かりやすく言うと、
あるメーカーが3ギガヘルツで動作する
CPUを作りたいとしましょう。
しかし、実際に出来上がったCPUをチェックすると、
ある個体は3ギガヘルツで動作したとしても、
他の個体は2.7ギガヘルツでしか動作しなかったり、
またある個体は2.5ギガヘルツでしか動作しなかったりと
大きく性能にバラツキがあるのです。

このような性能にバラツキがある状態を表す言葉として
「歩留まり」という単語が良く使われます。
製造工程に習熟し製品の性能が均一化されてくると
歩留まりが良くなり、コストも下がってきます。
こうなるとメーカーとしては
もう一段階クロック周波数の高い製品を製造しようと試み、
再び歩留まりは悪くなります。
しかし、この製造工程に習熟すると歩留まりが良くなり、
また一段階クロック周波数の高い製品を製造、
とこの繰り返しが続いているワケです。

簡単に説明すると、CPUの種類はいくつもあり、
クロック周波数別に分類すると何十種類にもなります。
しかし、これを製造しているラインは
1本しか無いということです。
この1本のラインから製造された
性能にバラツキのあるCPUをチェックし、
それぞれの個体が問題無く動作するクロック周波数を調べ、
その周波数のシールを貼って
出荷しているというのが実態なのです。


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2003年4月24日(木)

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