第168回
「職は中国に在り」

この「中国ビジネスのススメ」をご覧頂いている方の中には、
「中国で就職したい」とか、
「将来的に中国で起業したい」と思われている方も
いらっしゃるかと思います。
現状では、そうした志を持った方々は、
日本人全体から見れば、
まだまだそんなに数が多くありませんので、
情報の入手や、先輩たちの生の声を聞く機会を持つ事は、
非常に難しいかと思います。

そんな方々に朗報です。
ジェトロ(日本貿易振興機構)北京事務所の江原所長が書かれた
「職在中国―40人の日本人が語る、就職・起業チャレンジ」
という本が、この10月に出版されました。
「食は広州に在り」をもじって、
「職は中国に在り」と読ませる様です。
私も北京での座談会とアンケートの部分で、
実名で登場しています。

内容としては、現在、中国で就職または起業した日本人が、
座談会やアンケートの形式で、
中国で就職・起業したきっかけ、
中国で就職・起業してよかった事、つらかった事、
中国で働く事の意義、
中国でどういう生活を送っているか、などを語っています。
私の知り合いも何人も登場するのですが、
普段は話さない過去の経緯や、本音の部分が書かれており、
「へー、彼は普段こんな事考えてるんだ」という事が分かって、
非常に参考になりました。

こんなにたくさんの中国で働く日本人の本音を集めた本が
出版されるのは初めての事ではないでしょうか。
逆に言うと、中国で就職したり、
起業したりしたい日本人が増えており、
実際に中国で働いている人たちの本音を知りたい、
という需要が高まった為、
今回こうした本が出版されるに至った、とも言えます。

この本では北京、上海、大連の3都市で、
数回に及ぶ座談会の模様が記されていますが、
全て江原所長が自らホストとなり、
中国で働く人たちの本音を聞き出しています。
また、すごいと思ったのは、座談会に出席したり、
アンケートに回答したりしている中国で働く人たちが、
全て実名で掲載されている事です。
Aさん、Bさんとか、山田太郎(仮名)などと書いてあると、
その座談会やアンケートの内容も
非常に嘘臭いものになってしまいますが、
皆さん実名で勝負されている所に、
中国で働く人たちの気迫を感じます。

「職在中国」。値段は1,800円。
注文はジェトロオンラインブックストア
(http://books.jetro.go.jp/)で出来ます。


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