第214回
働く女性をサポートする環境

中国の働く女性が多いもう一つの理由は、
働く女性をサポートする環境が
整っているからではないでしょうか。

まず、会社は家事や育児の為の遅刻、早退、休暇取得に対して、
非常に寛容です。
日本の会社の様に
「育児でこんなにちょくちょく休まれちゃ、
仕事になんないんだよ!」なんて事は言われませんし、
それが出世に影響する事も無い様です。

更に、お母さんが仕事に行っている間、
おじいちゃん、おばあちゃんが、
家で子供の面倒を見てくれている、というのも助かります。
地方出身者同士の夫婦でなければ、
北京の夫婦はだいたい親と同居します。
日本の様に核家族化が進むと、働いている間の託児所や、
学校への子供の送り迎えをどうするか、
という問題が出てきますが、
親と同居ならば、その心配は無くなります。
もちろん、中国にも嫁姑の問題はある様ですが、
背に腹はかえられません。

そして、最大の協力者は夫です。
中国の男性は実によく家事や育児をしてくれます。
彼らは、妻も自分同様働きに出て、
同じぐらいだけ稼いでくるのだから、
家事や育児も半分半分で負担するのは当然だ、と考えています。
通常、夕ご飯は妻か夫、どちらか先に帰った方が作る、
というルールになっている様ですが、
中には夫の方が妻より料理の腕が上なので、
夫が料理を作り、妻が食べた後、お皿を洗う、
という分担をしている家庭もある様です。

こうした周りの人たちの協力で、
中国の女性は職場で自分の能力を生かす事が出来ています。

中国の女性の目から見れば、
日本の女性が高等教育を受けて就職した後、
結婚したり、子供が出来たり、といった理由で
専業主婦になってしまうのは、
非常にもったいない、と思う様です。
家事や育児をするのに高等教育を受ける必要はありません。
就職して2-3年働いたら会社を辞めて、
その後何十年も専業主婦をするのでは、
せっかく高等教育を受けた意味が無い、
能力の無駄遣いだ、というのが彼女たちの考え方です。

この考え方には私も賛成です。
日本も周りの人が協力し合って、
女性が職場で能力を生かす事が出来る環境を作る事が、
延いては、
日本全体の付加価値を上げ、
日本経済の更なる発展の原動力になると思うのです。


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