第216回
中国ビジネスの「タブー」

なんでもありの中国ビジネスでも、タブーはあります。

まず一番いけないのが、中国共産党を批判する事です。
商談や宴会の席で、
中国共産党の一党独裁体制や人権問題を批判したり、
文化大革命や天安門事件の話をしたりするのはいけません。
我々がお付き合いする国有企業や国家機関の幹部は、
ほとんど共産党員です。
無論、ちゃんとした共産党員ならば、
そうした話題にも冷静に受け答えをしてくれると思うのですが、
危ない橋は渡らないに越した事はありません。

中国共産党をちゃかしてもいけません。
例えば、革命の聖地・延安の民家をモチーフにした内装に、
八路軍の制服を身に着けたウェイター、ウェイトレス、
出てくる食事は当時の革命家たちが食べていた粗食を再現した
「MAO'S CAFE(毛主席的珈琲屋)」なんていうのを作ったら、
革命を知らない若者たちに結構受けると思うのですが、
そんなものを容認するほど、中国共産党は大人ではありません。

台湾問題もきわどい話題です。
私たち日本人と中国の人たちでは、
「台湾」に対する認識が全く違います。
日本人が考える台湾は、政府も軍備も持つ、
半独立国家の様なものですが、
中国にとっての台湾は、
中国の領土の一部を賊軍が不法に占拠している場所、
という認識です。
私もこちらに来て驚いたのですが、
中国で売られている地図帳の中の台湾は、
「河北省」や「四川省」と同列で
「台湾省」として紹介されています。

中国政府としても、台湾を完全に掌握して、
国際社会に台湾は中国の一部、と認めてもらうのは、
長年の悲願ですので、台湾関係の動きに関しては非常に敏感です。
以前、ある日系企業がポスターを作った際に
中国の地図を図案に使ったのですが、
その中国の地図に台湾が抜けていた為、
中国政府から全面回収を命ぜられた、という逸話も残っています。

どちらにしても、中国ビジネスを進めるに当たっては、
中国の国情を良く勉強しておく必要があります。
その上で、政治の話には余り首を突っ込まない事です。
私たちは1商人として中国で商売をさせて頂いているだけで、
政治家や外交官ではないのですから...。


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