第217回
中国の人たちの反日感情

私たち日本人が、中国企業の人たちと話をするに当たっては、
戦争の話も避けたい所です。
中国の人たちは韓国の人たちと違って、
あからさまに日本に対する嫌悪感を示す事はありませんが、
日本が嫌いな人はたくさんいると思います。

親族を日本兵に殺された、
という人もまだまだたくさんいるでしょうし、
若い世代でも、学校の歴史の授業で、
日本軍が中国大陸でどんなにひどい事をしたか、
みっちりと教える様ですので、
日本嫌いの人がたくさんいても不思議ではありません。

古代や中世の歴史ばかり詳しく教えて、
3学期になって時間が無くなってしまい、
第二次世界大戦の部分は駆け足で飛ばしてしまう
日本の歴史の授業とは違うのです。

それは天安門広場東側にある
歴史博物館の展示内容を見ても分かります。
大昔の歴史は軽く流して、日本軍の残酷さと
それに敢然と立ち向かって勝利を収め、
中華人民共和国を成立させた中国共産党の勇敢さ、偉大さに
多くのスペースが割かれています。
その内容は壮絶で、
今ここで、日本人だという事がばれたら
後ろから刺されるのではないか、と思わせるほどです。

1年で最も気を付けなければならないのは9月です。
9月18日は柳条湖事件が起きた日であり、
毎年、中国各地で反日集会が開かれたり、
日本大使館に抗議文が送り付けられたりします。

1931年9月18日、
日本軍は奉天(今の遼寧省瀋陽)近郊の柳条湖で
南満州鉄道を自ら爆破、
これを張学良の仕業である、として進軍し、
満州全域を占領しました。
この満州占領の発端となった事件が、柳条湖事件です。
アメリカでは「リメンバーパールハーバー」ですが、
中国では「リメンバー柳条湖」なのです。

そんな1年で一番敏感な日の直前に、
大阪の住宅リフォーム会社が、社員旅行で広東省珠海市に来て、
集団買春事件を起こした為、
昨年後半、中国の人たちの反日感情は
異常な盛り上がりを見せました。

2003年は、日中平和友好条約締結25周年の年に当たり、
様々な記念行事が行われていたのですが、
友好ムードに水を注すどころか、
冷や水を浴びせ掛ける様な結果になってしまいました。
残念な事です。


←前回記事へ 2004年3月17日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ