第271回
中国不動産株を買う方が楽かも...

そんな苦労をして、ようやく、賃貸契約の締結に至るのですが、
賃貸契約を結んでからも、「業主」の苦悩の日々は続きます。

借り手が入居して、生活をし始めると、
「カーテンレールが外れた」とか、
「お湯が出ない」とか、
様々なクレームが出てきます。
こうした借り手からの細かいクレームに対応するのも
「業主」の役割です。

さすがの「業主」も、
こんなクレームにいちいち対応していられませんので、
だいたいの場合、物業管理公司にクレーム対応を委託します。
もちろん、ただという訳にはいきませんので、
物業管理公司には物業管理費を支払います。
修理代はもちろん、実費で「業主」が払います。

クレームも一巡すると、
やっと安定した家賃収入を得られる様になるのですが、
中国のマンションは粗悪な資材を使っているせいか、
マンションによっては
3-4年もするとボロボロになってしまいます。
すると、借り手からあそこを直せ、とか、
ここを直せ、という要求が来ます。
直す費用は当然、「業主」持ちです。

賃貸契約が終わり、借り手が退去する際には、
借り手から取ってあった2ヶ月分の敷金で、
傷つけられた所などを補修して、次の借り手を探します。
明らかに借り手の過失で傷つけられたり、
壊されたりしたものは、敷金を使って直せるのですが、
壁や床が薄汚れている、なんていう程度のものを
塗り替えたり、張り替えたりする事は、借り手が納得しません。

薄汚い部屋のまま家賃を下げて貸すか、
また大枚をはたいてきれいに内装し直して、
家賃の値崩れを防ぐか、二つに一つしかありません。

最近、日本では人民元の切り上げを見越して、
中国の不動産に対する投資を勧める本が良く売れている様ですが、
私思うに、中国のマンションはとてもではないですが、
日本にいながらちょろっと投資出来る様な代物ではありません。

それでも、どうしても人民元の切り上げと
地価の値上がりで利益を享受したい、という人は、
邱さんがおっしゃられている通り、
中国の不動産に投資している会社の株を買うのが、
最も楽で安全な方法かもしれません。


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