第301回
中国企業で働く!

日本人が中国でビジネスを興そうと思ったら、
まずは、中国で働いてみる事が近道なのですが、
ここ北京では現状、
日系企業の日本人を対象とした求人は余り多くなく、
「中国で働く」という経験を得るのは、
比較的難しい状況が続いていました。

しかし、最近、北京の日本人の集まりなどで、
初めてお会いした日本人の方と名刺を交換すると、
会社名が中国の会社である事が多くなってきました。
日本人駐在員や日系企業を
新たな市場として開拓したい中国企業が、
日本人を営業担当として雇い始めているのです。

業種も弁護士事務所、アパートメント、不動産会社、
旅行会社、レストランなど、多岐にわたります。

例えば、弁護士事務所。
中国にも日本の大手弁護士事務所の駐在員事務所があるのですが、
日本の弁護士は中国で訴訟をする事は出来ません。
訴訟となると結局は、
提携している中国の弁護士事務所の中国人弁護士が
弁護に立つ事になります。

ただ、日系企業としては、
日本語の話せない中国人弁護士に、
細かいニュアンスなどが伝わらず、
それが原因で敗訴となったらたまりませんので、
中国の弁護士事務所よりはるかに高い弁護士料を払って、
日本の大手弁護士事務所に弁護を依頼する事になります。

こうした構造に目を付けた中国の弁護士事務所は、
中国人弁護士と日系企業の橋渡し役として、
中国語を話せる日本人をパラリーガルとして雇い、
日系企業に対し営業をさせる様になりました。
日系企業としても、
日本語で細かいニュアンスを伝える事が出来、
法律関係の書類もちゃんとした日本語で出てくれば、
安心して訴訟を任せる事が出来ます。

この様に、日本人駐在員市場や
日系企業市場を狙う中国企業が増えてくれば、
中国語を話せる日本人に対する需要は
どんどん増えていきます。
こうした中国企業で働けば、
上司や同僚は日本語の話せない中国人の人ばかりですので、
日系企業で働くよりも、中国語の上達が早いでしょうし、
中国企業のものの考え方も
より広く、より深く学べるかもしれません。


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