第350回
「現地法人の経営は現地人に」

上海ほどではないですが、
北京でも日本企業の進出は増えています。
「上海は経済の中心、北京は政治の中心」という事で、
従来、北京に進出する日本企業は、
中央政府とのパイプが必要となる様な
大きな商売をしている大企業が中心だったのですが、
最近では、中小企業の進出も多くなっている様です。

北京に進出する日本の中小企業が増えている事は、
北京の日本商会の会員数の増加を見れば分かりますし、
小中学生の子供を持つ、
30-40歳代の比較的若い駐在員が増えている事は、
北京日本人学校の生徒数の増加をみれば分かります。

これは、日本企業の北京の駐在員事務所や現地法人の役割が、
中央政府とのパイプ役から、
より実務的な実際の商売に移っている事を物語っています。

こうした「日系企業の世界における北京の上海化」が進むと、
北京でも早晩、
上海の様な日本語を話せる人材の不足が
問題となってくる事が予想されます。

実際、既に、日系企業の人材の採用には
変化が起こりつつあります。

従来、日系企業が採用する人材は、
そこそこの大学で日本語を専攻し、
日系企業で就労経験のある人が中心でした。
日本語が上手で、
日本人の考え方も良く理解している人が
求められていた為、
新卒の人が採用される事はあまりありませんでした。

日本語を話せる中国人社員は入社後、
昇進、昇給のチャンスはあるものの、
日本から派遣された日本人駐在員を上回る事は
あり得ない為、
彼らは少しでも良い給料を提示する会社があると、
すぐに転職してしまう、というのが常でした。

これが最近は、大企業を中心に、
人事担当者が北京大学や清華大学などの名門大学に出向き、
学生に対し、自社の中国事業のビジョンや、
自社で仕事をする事の魅力などについて説明し、
優秀な新卒社員を確保しようとしています。

こうして入社した新卒社員は、
将来、現地法人の経営を担ってもらうべく、
企業文化をみっちりと教育されます。
日系企業の人材に対する考え方も、ようやく、
従来の「使い捨て型」から、
欧米企業の様な「幹部養成型」に変わりつつあります。

今後、日系企業の中国事業も、
従来の日本人駐在員を送り込む形から、
欧米企業と同じ様な
「現地法人の経営は現地人に」という形に
なっていくのではないでしょうか。


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