第511回
「もう、何を信じたらいいのかわからない」

昨年、日本では、
「もう、何を信じたらいいのかわからない」
というような事件がたくさん起きました。

マンション耐震強度偽装事件、
塾講師小6女児殺害事件、
振り込め詐欺、リフォーム詐欺。

長年、日本社会は信用第一で回ってきました。
マンションを買おうとすれば、耐震基準を満たしている、
ということが前提になっていましたし、
子供を塾に通わせるならば、講師が子供を殺さない、
というのが前提になっていました。

信用社会は、多くの前提を「本当に大丈夫なのか」
と確認する手間を省くことができるため、
コストが安く、経済効率のよい社会です。
一度結んだ契約は守る。
カネはきちんと期日通りに払う。
こうした効率のよい信用社会のおかげで、
日本はあれだけ急速な
高度経済成長を実現することができた、
と言っても過言ではないと思います。

しかし、その前提が裏切られた今、
マンションを買う場合は、そのマンションが
本当に耐震基準を満たしているか、
買う人が調べなければなりませんし、
子供を塾に通わせる場合は、
その塾の講師が人を殺すような人間ではない、ということを、
親が調べ上げる必要が出てきました。

日本では、信用社会がガラガラと音を立てて崩れ、
何も買うのでも、消費者がその商品の安全性について、
徹底的に調べなければならないような、
コストの高い不信社会になりつつあるのです。

一方の中国は、昔っから
「身内以外は誰も信用しない」という不信社会でした。
不信社会としては、
日本よりはるかに先進国であると言えます。

信用社会と不信社会、どちらがいいか、と言えば、
もちろん、昔の日本のような、
信用社会がいいに決まっているのですが、
日本も不信社会の仲間入りをしてしまったからには、
不信社会の先輩である、
中国のやり方を見習う必要があります。

モノの買い方、企業信用度の判断の仕方、
契約の守らせ方、カネの払わせ方、などなど。
不信社会の新入りである日本が
中国から学ぶべきことは、たくさんあるのです。


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2006年1月27日(金)

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