第578回
「小泉首相の最後っ屁」

今、北京に住む日本人の間では、
小泉首相が8月15日に靖国神社に参拝した場合、
北京でいったい何が起こるのか、
ということが話題になっています。

小泉首相は首相になるに当たって
「毎年8月15日に靖国神社に参拝する」
という公約を掲げて首相になりましたが、
この5年間、A級戦犯が祀られている
靖国神社への参拝に反対する
中韓両国国民の感情に配慮して、
終戦記念日である8月15日の参拝は
避けてきました。

しかし、小泉首相は9月に
首相を退任することが既に決まっていますので、
首相の性格からして、最後に公約を守って
自身の首相在任期間を締めくくるのではないか、
と言われています。
先日、日本に行ったときも、
電車の週刊誌の中吊り広告に
「小泉首相の最後っ屁」という
見出しが躍っていました。

靖国神社参拝については、
日本でも賛否両論あると思いますので、
ここでその是非を語ることはいたしませんが、
中国に住む日本人が心配しているのは、
小泉首相の靖国神社参拝後の
中国の人たちの反応です。

私たち北京に住む日本人は、
ほんの1年ちょっと前に、
反日デモ参加者の一部が暴徒化して、
近所で日本製の車が
ひっくり返されて火をつけられたり、
日本料理屋が荒らされたり、
という非常に怖い目に遭いました。

ですので、今回も小泉首相の靖国神社参拝後に
同様のデモが起きて、暴徒化したデモ隊が
日本人の多く住むアパートメントに
乱入してくるのではないか、
などといううわさも流れています。

とりあえず我が家では、
妻と3人の娘を8月初旬に日本に行かせ、
8月15日に小泉首相が靖国神社に参拝した場合、
その後の中国での反日運動の動向を見極めた上で、
北京に戻そうと考えています。

何も起こらないに越したことはないのですが、
予期できるリスクに対しては、
前もって対策を打っておくべきです。
中国に住んでいると、
日本に住んでいれば
考えなくても良いようなこんなことまで、
いろいろと考えなくてはならないのです。


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2006年7月3日(月)

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