第612回
中国を崩壊に導く悪徳役人

日本の本屋に行くと、
「そして中国の崩壊が始まる」とか、
「それでも中国は崩壊する」といった、
いわゆる「中国崩壊本」をたくさん見かけますが、
私は、中国の現状からして、
「中国が崩壊するわけがない」と思っていました。

確かに、中国にも病んだ部分はたくさんあります。
しかし、それが部分的なものに止まっている限り、
「それでも中国は回っていく」のです。

ただ、最近はちょっと考え方が変わり、
「中国が崩壊する可能性があるとすれば、
その原因は中国共産党内部にある」
と思うようになりました。

中国共産党中央は、
そのことを十分理解していると思うのですが、
地方の木っ端役人の中には、
「自分は地方の独裁国家の皇帝である」
という勘違いをし、
職権を濫用してやりたい放題やっている人も
たくさんいるように思います。

そうした地元の悪徳役人の悪行は、
すぐに地元民衆の知るところとなります。
「俺たちが食うや食わずの生活をしているのに、
あいつらはなんだ!」という不満は
マグマのように民衆の間に溜まっていき、
やがて、何かささいなきっかけがあると
それが一気に爆発し、
大規模な暴動が起こるのです。

この大規模な暴動が全国に波及し、
全国的な反政府運動に発展すれば、
中国共産党はコントロールの能力を失い、
中国は本当に崩壊するかもしれません。

こうした事態を防ぐために、
中国共産党は各レベルの「党校(だんしゃお)」を設け、
共産党幹部の教育を行ったり、
共産党幹部が不正を行った場合は、
見せしめのため、
一般より重い刑罰を科したりしていますが、
前回お話しした「セクハラ接待停電事件」のような事件が
いまだに起こっているところを見ると、
そうした中央の危機意識がまだまだ
末端まで浸透していないことがわかります。

中国を崩壊に導く悪徳役人。

テレビドラマ「水戸黄門」では、
さきの副将軍・水戸光圀が日本全国をお忍びで回って、
地元で無法の限りを尽くす悪代官を成敗しました。
中国政府も隠居した共産党中央の幹部たちに
中国全土をお忍びで回ってもらって、
悪徳役人がいたら
「このカマとトンカチの紋所が目に入らぬか!」
とやってもらったらいかがでしょうか。


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2006年9月20日(水)

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