第619回
中国留学のススメ

中国で起業をしようとした場合、
日本にいてあれこれ悩んでいても何も解決しません。
まずは中国に住んでみることが必要だと思います。
中国に住んでみれば、
日本にいたときには見えなかったビジネスチャンスが
見えてくるかもしれませんし、
信頼できる中国人パートナーに出会う確率も
格段に高くなります。

多分、ほとんどの日本人にとって、
いくら中国の景気が良くて、
破竹の高度経済成長が続いている、といっても
「日本人の個人が中国に行って起業する」なんてことは、
常識の外側のことであり、
自分のこととして考えられないのではないかと思います。

しかし、一度住んでみれば、
日本人が中国で起業することが、
いかに合理的な選択であるか、
ということがおわかり頂けるのではないかと思います。

かく言う私も、丸紅の駐在員として
5年半にわたって北京に駐在をさせて頂いたおかげで、
自分は北京で起業しても
なんとかやっていけるのではないか、
という感触を得ることができました。

しかし、これがいくら今後成長が期待できるといっても、
いきなり今から「カルカッタで起業しろ」とか、
「リオデジャネイロで商売をしろ」と言われたら、
食っていける自信は全くありません。
インドやブラジルで商売をするに当たっても、
やはり、まずは現地に住んでみることが、
大切なのではないでしょうか。

ただ、中国の場合あいにく
「起業準備のためにとりあえず住んでみる」ということが
できにくいビザの制度になっています。
数ヶ月の短期滞在であれば、
Fビザと呼ばれる短期滞在ビザを取得すればよいのですが、
1年以上中国に住むためには、
学校に留学してXビザと呼ばれる
留学ビザを取得するか、
企業に就職して居留許可証と呼ばれる
労働ビザを取得しなければなりません。

そういった意味では、
「起業準備を兼ねた留学」というのは、
非常に良い選択です。
留学ならばXビザが取れ長期滞在ができますし、
日本で勉強するよりずっと効率的に
中国語を習得することもできます。
大学に留学すれば、優秀な中国人学生に
触発されることもあるでしょうし、
もしかすると、志を同じくするビジネスパートナーを
見つけることができるかもしれません。

日本人が中国に1年間留学すると、
学費で約30万円、生活費で約70万円、
合計100万円ぐらいは最低でもかかってしまうようですが、
将来中国で起業して、その何十倍、何百倍の
おカネを稼ぐための先行投資と考えれば、
かなりお得な投資と言えるのではないでしょうか。


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2006年10月6日(金)

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