第621回
信頼できる中国人パートナーの選び方

日本人が中国で起業する上で、
最も大切なのは信頼できる中国人のパートナーを
みつけることです。
いくら中国語が堪能で、
中国の事情に明るい日本人でも、
中国で会社を経営するに当たっては、
どうしても中国人でなければ解決できない問題に
遭遇する可能性が大いにあるからです。

そういった中国人でなかれば解決できない
微妙な問題は中国人パートナーに任せ、
日本人は日本人が本来持っている気質である
「サービス精神」や「完璧主義」や「生真面目さ」で
会社の利益に貢献すべきだと、私は思います。

ただ、パートナーは中国人なら誰でもよい、
というわけではありません。
特に、中国語が話せない日本人は、
日本語を話せる中国人を
過度に信用する傾向があります。

ま、確かに、全く言葉が通じない国で、
通訳をしてくれたり、いろいろな手続を
代わりにやってくれたりする人は頼もしく見え、
地獄で仏に会ったように感じるのは
仕方がない面もあります。

しかし、私は旅行や出張で中国に来た日本人が、
日本語を話せる旅行会社のガイドや、
カラオケの小姐(しゃおじぇ、ホステス)に
中国での共同事業を持ちかけられて、
日本から数百万円の資本金を振り込んだとたんに、
連絡が取れなくなる、というケースを
何件も聞いたことがあります。

また、実際に中国に移住して、
中国人パートナーと一緒に事業を始めた日本人の中にも、
パートナーにだまされて会社を乗っ取られたり、
儲かってきたとたんに利益配分の見直しを迫られたり、
という人もいるようです。

信頼できる中国人パートナーを選ぶには、
長年のお付き合いでその人の人となりがわかっているか、
または、信頼できる人の紹介で会ったかの、
どちらかの要件を満たしている必要があると思います。
そして、最終的には自分自身の
人を見る目に頼るしかありません。

どちらにしても、日本語が話せるからといって、
むやみに信用するようなことだけは
避けなければいけないのです。


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2006年10月11日(水)

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