第626回
中国の「ミリオネア」マーケット

中国の一人当たりのGDPは現在約1,700米ドル。
日本の1/20以下です。

しかし、北京の街を歩いていると、
ベンツ、BMWは当たり前、
ときにはフェラーリやポルシェが
走っているのを見ることもあります。

また、これでもか、というぐらい
たくさん作られている高級マンションも、
数百万元(数千万円)という価格設定にも関わらず、
完工を待たずにほとんどが
完売状態となっているそうです。

中国は一人当たりのGDPを見ると
まだまだ貧乏な国ではありますが、
金持ちは日本の金持ちと遜色がないぐらい
おカネを持っているのではないでしょうか。

こうした私の感覚を裏付けるような
調査報告が公表されました。

アメリカの大手投資銀行・メリルリンチの調査によれば、
中国には保有資産額が100万米ドルを超える、
いわゆる「ミリオネア」が32万人もいるそうです。
アジアで最も「ミリオネア」が多い日本の
140万人には遠く及びませんが、
それでも一人当たりのGDPや物価の差を考えれば、
中国にはとんでもない金持ちがたくさんいる、
と言えそうです。

これを更に範囲を狭めて、
保有資産額3,000万米ドルを超える
「超ミリオネア」に絞れば、
1位の日本が4,774人であるのに対して、
2位の中国は4,540人、
その差はわずか234人だそうです。
日本と中国の一人当たりのGDPには
20倍以上の開きがありますが、
金持ち上位5,000人を並べた場合、
その保有資産額はほとんど変わらないのです。

こうしたことから、現在、
欧米の高級車メーカーや高級ブランドは、
中国の「ミリオネア」マーケットを狙って、
目の色を変えて中国進出を加速しています。
実際、超高級乗用車・ベントレーの最高級車種は、
1,188万元(1億8,000万円)もするにも関わらず、
全世界の中で中国の販売台数が一番多いそうです。

私たち日本人が中国で商売をするに当たっては、
「ミリオネア」とまでは行かなくても、
こうしたお金持ちの人たちに、
中国の人たちにはマネのできない
付加価値の高い商品を売っていくべきなのです。


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2006年10月23日(月)

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