第628回
中国のインターネットショッピング

以前、私は
「第514回 中国では通用しないであろうサービス」
「中国は「不信社会」なので、
通信販売やネット取引を始めても
トラブルが多発して立ち行かなくなるのは
火を見るより明らかである」
というお話しをしたのですが、
どうもそんなことはなく、
中国でも通信販売やネット取引は
急速にその取引額を増やしているようです。

中国のIT関係調査会社・易観国際と
購買サイト最大手・淘宝網※1
(たおばおわん)は、
今回共同で中国の
インターネットショッピングについての
調査をしました。

淘宝網とは、「宝物をすくいとる網」というような意味で、
ネット(網)に引っかけて命名されたものと思われます。
かのジャック・マー(馬雲)率いる
中国最大のBtoBサイト「アリババ」傘下の
一般消費者向けサイトです。

この調査によれば、2006年7-9月の
中国のインターネットショッピング取引高は
約65億元(975億円)で、
一人当たりの平均消費額は
前年同期に比べて2倍になっているそうです。

地域別ではやはり中国の流行の最先端を行く
上海のネット利用者が最もネットショッピングの
利用率が高かったそうです。
上海のネット利用者の実に80.9%が
過去3ヶ月以内にネットショッピングの利用実績があり、
今まで一度も
ネットショッピングを利用したことがない人は、
3.7%にとどまったそうです。

もちろん、淘宝網などの購買サイトも、
出店者の信用ランクを表示したり、
クレーム窓口を作ったりするなど、
トラブル防止策を講じてはいますが、
それでも家電量販店で電気製品を買う前に
箱を開けて動作確認をするのが常識の国とは思えない
ネットショッピングの普及ぶりです。

カネはあるけど時間がない人は、
保証さえしっかりしていれば、
わざわざお店に買いに行くより、
ネットショッピングを選ぶんですね。

中国のネット人口は2006年6月末時点で
1億2,300万人。
日本の人口とほぼ同じぐらいの人数ですが、
それでも中国の総人口から見れば
10%にも満たない数字です。

今後、中国ではネット人口が増えるにしたがって、
ネットショッピングをする人も
どんどん増えていくことが予想されます。

※1淘宝網HP http://www.taobao.com/


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2006年10月27日(金)

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