第669回
それでも中国で新築マンションに住みますか?

できたばかりの新築マンションに住む、
というのは気持ちのよいものです。
しかし、ここ中国では、
新築マンションより中古マンションの方がよい、
ということもあります。

私も5年前、北京で起業した当時に
郊外の新築マンションに住みましたが、
いろいろとひどい目に遭いました。

まず、中国の新築マンションは、
入居してからの不具合発生率が異常に高いです。
壁が剥がれる、床板が反る、カーテンレールが落ちる、
停電する、断水する、ガスが止まる、などなど。
特に水回りはひどく、
私も冬の寒い日にお湯が出ず、
やむなく水シャワーを浴びたことが
何度もありました。

そして不具合が発生すると、
そのマンションの物業管理公司
(うーいえぐぁんりこんす)と呼ばれる
メンテナンス会社に連絡して、
直してくれるようにお願いするのですが、
他の家でも不具合が多発してモーレツに忙しいらしく、
直しに来るのが2-3日後、ということもありました。

また、新築のマンションに入居すると、
近所の家の内装の騒音に悩まされることも多いです。
日本のマンションは通常、内装済みのものを売りますが、
中国のマンションは内装が付いておらず、
買った人が自由に内装するものが多いので、
マンションができて早い時期に入居してしまうと、
こんな目に遭ってしまうのです。

そして、周辺の環境が整っていないうちに、
新築マンションに入居すると、
マンションの外は工事現場で、
部屋の窓を開けると工事の土ぼこりが舞い込んでくる、とか、
近くにスーパーやレストランがなく、
えらく不便な思いをする、なんていうこともあります。
普通、日本のマンションは、
付帯設備や周辺の環境が整ってから売り出されるのに対して、
中国のデベロッパーはマンションの建設が終わり次第、
順次販売を開始してしまいますので、
こうしたことが起こるのです。

こう考えていくと、中国でマンションに住むなら、
むしろ、前に住んだ人が不具合を全部直してくれて、
ご近所の内装も全て終わっていて、
付帯設備や周辺の環境が整った
中古マンションの方が良いのかもしれません。


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2007年1月31日(水)

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