第683回
中国株はすでに上がりすぎているのか?

中国の経済は引き続き順調です。
好景気の原動力は消費ではなく、
輸出と投資のみだそうですが、
それでも中央政府が手綱を引き締めないと
暴走してしまうぐらいの勢いがあります。

完全にバブル状態だった不動産も、
政府の度重なる引き締め策で、
最近はかなり落ち着いてきているようです。

昨年末の中国株の上昇も、
従来は不動産一本槍だった中国国内の投資資金の一部が、
政府の引き締め策により株式市場に流れたことが
原因の一つだったようです。
政府の不動産投資に対する引き締め策は継続の予定ですので、
そうした観点から見れば、
今後も中国株は堅調に推移するのではないでしょうか。

ただ、日本の個人投資家の間では、
中国株はすでに上がりすぎている、
という見方もあるようで、
中国株を売って、インド株やベトナム株に
シフトする動きもあるように聞きます。
中にはインド株やベトナム株も
すでに上がりすぎてしまったと感じ、
まだ、誰も注目していないような安値の株を求めて、
世界中の株式市場を物色している人もいるようです。

株価がちょっと上昇すると、どうしても
「ここがピークなのではないか」
という気持ちになってしまうのですが、
私個人的には、中国株はまだまだ上がる余地がある、
と考えています。
なぜなら、現在の中国の好景気は輸出と投資によるものであり、
「地球上に残された最大かつ最後の巨大市場」としての中国が
本領を発揮するのはまだまだこれからだからです。

となると、今、仕込むべき銘柄は
「内需関連銘柄」ということになります。
今後、一部の高所得者だけでなく、
一般庶民もおカネを持つようになり、
多くの人々が消費を楽しむようになれば、
消費財のメーカー、小売業などは
大きく成長するのではないでしょうか。

しかし、マーケットが大きくなれば、
当然、新規参入をしてくる会社も増えますし、
競争も激化します。
競争力のない会社は、
いくら早くから市場に参入していても
淘汰されてしまいます。
そんな淘汰されてしまう会社の株をつかまされたら、
たまったものではありません。

やはり、当然のことながら、
同じ「内需関連銘柄」でも、
1社1社、会社の内容をよく吟味して、
競争力のある会社を厳選して
株を買うことが肝要であると思います。


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2007年3月5日(月)

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