第722回
共産党を窮地に追い込むバカ党員

1989年の今日、北京で天安門事件が発生しました。
民衆に向けて発砲する人民解放軍や、
戦車の前に寝転がって行く手を阻もうとする
民主活動家の姿など衝撃的な映像が
全世界に向けて発信されましたので、
ご記憶の方も多いのではないでしょうか。

あれから18年。
共産党一党独裁体制を揺るがすような
大規模な騒乱こそ起きてはいませんが、
地方の小規模な暴動は年間数万件起こっているようです。
年間数万件ということは、1日数百件ということです。
いくら中国は広くて人数が多いと言っても、
毎日数百件の暴動が起きる、
というのはかなり異常な状態です。

暴動の原因のほとんどは、
共産党員の汚職や職権濫用です。
天安門事件の発端も、共産党の腐敗に抗議する
学生のデモだったことを考えると、
中国共産党はこの18年間、
全く進歩していないと言われても、
反論できないのではないでしょうか。

先日も広西チワン族自治区の博白県で、
「一人っ子政策」の厳しい取り締まりに
耐えかねた住民数千人が暴動を起こし、
役場が焼き打ちに遭う、
という事件が起きました。

報道によれば、「一人っ子政策」の徹底を
上部機関から指示された役場によって組織された
数十人から数百人規模の取り締まりチームが、
鉄パイプやハンマーで武装して村々を回り、
「一人っ子政策」の違反者に法外な罰金を要求して、
支払えない場合は家電製品、食料品、家畜など
すべての家財を持ち去ったり、
既婚女性を拉致して
無理矢理不妊手術を受けさせたりした、
ということです。

10年前だったらまだしも、
今の中国でこんなことをして、
暴動が起こらないと思う方がおかしいです。
こういうニュースを聞くと、
中国の田舎には、まだまだ時代の変化に対応できない、
頭の悪い共産党員がたくさんいることがわかります。

私は中国崩壊説には与しませんが、
もし、共産党一党独裁体制が崩壊するとすれば、
それは外部からの圧力ではなくて、
こうした内部のバカ党員のせいで
崩壊が始まるのではないかと思うのです。


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2007年6月4日(月)

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