第743回
渋滞に拍車をかける人たち

北京の街はただでさえ車が多くて渋滞が激しいのですが、
こうした渋滞に拍車をかけるのが、
頻繁に起こる交通事故と初心者ドライバーの存在です。

北京は交通事故が多いです。
これだけみんなが無茶苦茶な運転をすれば、
そりゃ交通事故も増えるわな、とも思うのですが、
渋滞がひどくてあまりスピードが出せないせいか、
車が大破するような重大事故は少なく、
「当てた」とか「こすった」とか
そういった類の事故が多いようです。

重大事故が少ないのは良いことなのですが、
問題は当てたりこすったりした後、
車を路肩に寄せることは許されず、
警察官が来て現場検証をするまで、
事故が起きた状態を保たなければならないことです。

こうなると30分から1時間の間、
道が事故車輌でふさがれてしまいますので、
ただでさえ激しい渋滞が
さらに激しくなってしまうのです。

また、北京では最近のマイカーブームで、
初心者ドライバーが増えています。

10年前、北京で車を運転する人と言えば、
タクシー、バスの運転手や、
企業のお抱え運転手など、
言わば運転のプロが多かったのですが、
今ではマイカーが増え、
それと同時に運転のへたくそな人が急増しています。

北京の初心者ドライバーの特徴は、
道に迷うと極端にスピードを落とすか、
または、道の真ん中に車を停めて
考え始めることです。

後続の車がクラクションを鳴らそうが、
後ろが大渋滞になろうが、全くおかまいなしです。
その神経の図太さには感心するしかありません。

そして、考えた末に道がわかると、
こうした初心者に限って、
一方通行の道をバックで逆走したり、
一番左側の車線から一気に右折したり、
という大胆な行動に出るのです。

中国でもぜひ日本のように、
事故が起きてもすぐに車を
路肩に寄せて良いことにしたり、
自動車教習所で
「道に迷っても
道の真ん中に車を停めて考えてはいけませんよ」
ということを教えたりして、
渋滞の原因を一つでも減らしてほしいものです。


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2007年7月23日(月)

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