第752回
中国の成長はまだまだ始まったばかり

2005年にはGDPでイギリスを抜き、
今年中にはドイツも抜いて
世界第3位の経済大国になろうとしている中国。
そうなるともう上には日本とアメリカしかいませんが、
この両国を抜き去るのも時間の問題と言われています。

しかし、中国に住んでいる私の実感としては、
とても日本に迫る経済規模を持っている国とは思えません。

確かに北京の中心部にある五つ星ホテルや
高級ショッピングセンターに行くと、
現代の日本とほとんど変わらない光景が広がっていますが、
同じ北京市でもちょっと郊外に行くと、
人々は水道もガスも引かれていないレンガ造りの家で、
日本の江戸時代のような原始的な暮らしをしています。

これは中国が日本の26倍の国土と、
10倍の人口を持っているためです。
そんな図体の大きな国と日本を
GDPの絶対値で比べるから感覚がおかしくなるのです。

中国に日本の26倍の数の建物が建って初めて、
国の密度が日本と同じになりますし、
中国のGDPが日本の10倍になって初めて
中国人全体の生活レベルが日本人と同じになるのです。

そういった意味では、
中国が世界第3位の経済大国になったとしても、
まだまだ伸びる余地は大いにあります。

日本には「中国はもう成長しすぎてしまったので、
まだ中国のように経済が
ブレイクしていない発展途上国を探して、
株に投資したり、ビジネスを始めたりしたい」
と考えている方もいらっしゃるようですが、
中国はマーケットもまだまだ未成熟ですし、
土地もいくらでも余っています。
現場にいる私に言わせれば、
中国の成長はまだまだ始まったばかり、
という感じです。

これからブレイクするかわからない国に投資して、
ブレイクするまでジッと待つより、
今後の成長が確実な中国に投資するほうが
よっぽどいいと私は思うのですが
いかがでしょうか。


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2007年8月13日(月)

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