第775回
貧乏人はその辺でずっと待ってろ!

先日、招商銀行にお金を下ろしに行ったときに、
窓口の行員さんから「柳田様は口座の残高が
5万元(80万円)以上ありますので、
ゴールドカードに切り替えられたらどうですか?」
と薦められました。

ゴールドカードを持っていると、
支店の窓口の約半分を占める
ゴールドカード優先窓口が使えますので、
ほとんど待たずにサービスを受けられる、
とのことでした。
いつも番号札を取ってから
30分以上待たされていた私は、
すぐにその場でゴールドカードに
切り替えさせてもらいました。

招商銀行では更に、
口座残高が50万元(800万円)以上あるお客さんに対し、
招商銀行のトレードマークであるひまわりをデザインした、
ゴールドひまわりカードを発行しているそうです。

ゴールドひまわりカードを持っていると、
一般庶民とは別のVIPルームに通されて、
ロビーの喧騒とは別世界の静かな空間で、
VIP専用行員による
良質なサービスが受けられるのだそうです。

「お金持ちのお客様はVIPルームへどうぞ」
「貧乏人はその辺でずっと待ってろ!」

かなりあからさまな差別ですが、
それぞれのお客さんが銀行にもたらす利益の差を考えれば、
この差別待遇は仕方がないのかもしれません。

ついこの間までは社会主義国家として
全国民の経済的平等を目指していた中国ですが、
資本主義化による格差社会の到来により、
金持ちにはますます快適な、
貧乏人にはますます住みにくい国に
なりつつあるのです。


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2007年10月5日(金)

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