第807回
北京第3位の海外引越会社

おかげさまをもちまして、
2005年にシノトランスとの合弁で作った
当社の引越子会社・外運華通(わいゆんほあとん)は、
北京第3位の海外引越会社にまで育ちました。

北京税関では、一般の商業貨物とは別に、
引越荷物を主とする私人物品(すーれんうーぴん)の
統計を取っているのですが、外運華通はその統計で
現在第3位に位置しているのだそうです。

既にマーケットが成熟している東京で、
今さら引越会社を起業する人はいないと思います。
もし、がんばって起業したとしても、
よっぽどすごい競争力や特徴がない限り、
大手企業がひしめく業界で上位にいくのはおろか、
生き残っていくのでさえ至難の業であると思われます。

しかし、人口は東京と同じぐらいの大きな街ですが、
まだまだマーケットが未成熟な北京では、
競争相手は工夫もやる気もない
へなちょこな会社ばかりですので、
当社のような個人企業が、
後発でこんなローテクな業界に参入しても、
ちょっと知恵を絞れば、
あっという間に業界3位に踊り出る、
などということも可能なのです。

海外引越というのは
比較的ニッチなマーケットではありますが、
とりあえずは北京ナンバーワン、
将来的には中国ナンバーワンを目指して、
引越サービスの質を上げていきたいと考えています。

外運華通の業績が急激に伸びているのは、
欧米人向けの海外引越業務が急拡大しているためです。

従来の外運華通の売上構成は、
日本人向けの海外引越がそのほとんどを占めており、
3、4月、7、8月の繁忙期は非常に忙しいのですが、
その他の月はヒマを持て余す、という状態でした。

この状態を解消するためには、
繁忙期が日本人とは違う欧米人の市場を
開拓する必要がありました。
北京には中国の他の都市と違って、
大使館や欧米企業がたくさんありますので、
そこに赴任したり、本国に帰国する
欧米人駐在員の海外引越には大きな需要があるのです。

そこで、北京にある大使館や欧米企業へ、
外運華通の海外引越サービスの売り込みを始めたのですが、
反応はあまり芳しくありません。
欧米人への売り込みは英語を話せる中国人ではダメだ、と考え、
カナダ人を雇ってみたりもしたのですが、
それでもなかなかうまくいきません。

それもそのはず、日本人が
クロネコヤマトとシノトランスという選択肢があったら、
100%クロネコヤマトを選ぶように、
欧米人の世界にも誰でもがその名前を知っている
有名な欧米系の海外引越会社が何社もあり、
大使館や欧米企業の駐在員たちは、
そうした会社のサービスを利用して
赴任や帰任をしていたのです。

ここ至って私たちは、方針の大転換をしました。
売り込み先を大使館や欧米企業などのエンドユーザーから、
彼らがいつも利用している
欧米系の海外引越会社に変えたのです。

結果的にはこれが大正解でした。


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2007年12月19日(水)

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