第809回
金払いの悪い企業にカネを払わせる極意

順風満帆に見える外運華通の経営ですが、
もちろん問題がないわけではありません。

1つは不払いの問題です。

大使館や欧米企業などのエンドユーザーと
直接契約をしていた時には、
引越が完了すればエンドユーザーは
すぐに代金を支払ってくれていました。
また万一、支払いが遅れたとしても
1件1件の引越の金額はそれほど大きくありませんので、
会社の資金繰りに影響を及ぼすようなことはありませんでした。

しかし、欧米系の海外引越会社3社と契約してからは、
支払い条件が月末締め翌々月末払いになりましたので、
資金負担はその分重くなりました。

それは契約条件ですので仕方のないことなのですが、
最近、3社の内1社が「今はカネがない」とか、
「払わないとは言ってない」などと言いながら、
半年以上、額にして100万元(1,500万円)以上の
支払いを滞らせていたことが判明しました。

当初、黒字が出ているのに外運華通の資金繰りが常に苦しいのは、
業績が伸びていて資金需要が旺盛であるためかと思い、
黒字倒産を避けるために資金の再投入をしたりしていたのですが、
100万元も未回収の売掛金があったら、
資金繰りが苦しくなるのは当たり前です。

不払いは中国企業の専売特許かと思っていたのですが、
欧米企業もこういうことするんですなぁ。

この100万元を返してもらわなければ外運華通は、
更なる発展への再投資ができませんし、
この額が更に大きくなるようだと、
冗談抜きで黒字倒産してしまうかもしれません。
このため、「契約打ち切りも辞さず!」という
断固たる態度で交渉を重ねたところ、
返済スケジュールを確定すると共に、
未払い分の金利に相当する値上げを
飲ませることに成功しました。

話を聞いていると、どうも先方も
外運華通に契約を打ち切られると困るようです。
「契約を打ち切られて困るようなら、
最初からきちんと払え!」という感じです。

最近は中国企業の金払いもかなり良くなってきましたが、
まだまだ中国にはこの欧米企業のように
のらりくらりと支払いを遅らせる会社もあるようです。

そうした会社にきちんとおカネを払わせる極意は、
「相手にとって契約を打ち切られては困る存在になること」
であるのが、今回の一件でよーくわかりました。


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2007年12月24日(月)

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