第848回
拝金主義国・中国の手数料詐欺

インターネットで
30万円の現金が当たる懸賞に申し込んだら、
「おめでとうございます!」という
当選通知メールが来ました。
但し、「手続料1万5000円を本日中に
下記の口座に振り込んで頂かなければ、
当選は無効になります」と書いてあります。

あなたなら手数料を振り込みますか?

詐欺先進国・日本に住むみなさんの目から見れば、
こんなのはどう考えても詐欺だということが
すぐにわかると思うのですが、
この手の詐欺にまだまだ慣れていない中国の人たちは、
こんな単純な手口にも関わらず
コロッと騙されてしまうんですね。

先日、広西チワン族自治区で、
インターネット上にニセ懸賞を掲載、
1ヶ月に100人以上の人を騙し、
総額30万元(450万円)以上を荒稼ぎしていた
犯人グループ9人が逮捕されました。

この犯人グループは、
インターネットの大手オンラインゲームサイト上で
「北京オリンピック開催を記念して」という名目の
ニセ懸賞のお知らせを掲載、
応募してきた人に対して
「1万8800元(28万円)が当たりました。
すぐに手続料998元(1万5000円)を振り込んでください」
という当選通知メールを流していました。

1万8800元と言えば、北京の大卒初任給の約8ヶ月分。
「たった1000元足らずの手数料で半年以上遊んで暮らせる」
という甘い誘惑が、多くの人に手数料を
振り込ませてしまったのではないでしょうか。

また、いきなり向こうから電話やメールで
「あなたは当選しました!」と来るのはいかにも怪しいですが、
「サイト上で自分でみつけた懸賞に自分で申し込んだ」
という事実が、
彼らの判断力を狂わせてしまったのかもしれません。

中国の人たちは高度経済成長で急速に豊かになっている、
と言っても、その財布の紐をゆるませて、
消費をしてもらうのは容易なことではありません。
しかし、「払ったおカネが何倍にもなって返ってくる」
という投資の話であれば、財布の紐はすぐにゆるみます。

拝金主義国・中国では、「カネが欲しい!」という
人々の心の隙を狙ったこの手の手数料詐欺や投資詐欺が、
今後、ますます増えていくのではないでしょうか。


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2008年3月21日(金)

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