第874回
空き工場を改造して倉庫を作ろう!

「そんなに倉庫が足りないなら、
倉庫を作って貸す側に回ろう!」
という発想の転換をした後、
私たちは空き倉庫ではなくて、
倉庫に改造できそうな空き工場を探し始めたのですが、
空き倉庫と違って
空き工場は比較的簡単に見つかりました。

私たちが見つけたのは、
元々家具工場だった空き工場でした。

私たちが契約を締結した貸し手は
その土地を村から20年の契約で借り受け、
家具工場を誘致したのですが、
だんだん増えてきた周辺住民に
「騒音がひどすぎる!家具工場はここから出て行け!」
という住民運動を起こされてしまったのだそうです。

その結果、まだ3年しか経っていないにも関わらず、
家具工場は移転を余儀なくされ、
貸し手はあと17年も残っている賃貸契約を前に、
呆然としていました。
そこに、空き工場を探していた私たちが現れたのです。

もちろん、空き工場を倉庫として使うには
かなり大規模は改造工事が必要です。
フォークリストが入っても床が壊れないように、
厚さ15cmの鉄筋コンクリートを敷き詰めたり、
夜、ドロボーが入らないように周囲の壁を高くしたりと、
結構な出費になります。

しかし、一方の賃貸料は、
貸し手が北京の倉庫業界の現状を知らないこともあり、
非常に安い値段で借り受けることができましたので、
改造費用は1年足らずで全額回収できる見込みです。

来月に改造工事が完了したら、
まずは外運華通を移転させ約1,500uを自家用で使い、
残りの6,800uを対外的に貸し出す予定です。

この倉庫事業、
万一借り手が全く付かなかった場合、
コツコツと積み重ねた引越事業の利益の
大部分が吹き飛んでしまう、という
かなり社運を賭けた事業です。
しかし、改造工事がまだ終わっていないにも関わらず、
既に借り手が付き始めていることなどから、
私はこの事業の成功には自信を持っています。

実は私たちは、
まだ、1つ目の倉庫がオープンしていないにも関わらず、
既に、同じ地区で第2、第3の空き工場を探し始めています。

なぜなら、そうした空き工場のオーナーが、
この地区の物流拠点としての価値に気付き、
高い値段を吹っかけてくるようになってからでは遅いからです。

2つも3つも倉庫を作って、
万一、借り手が付かなかったら大変なことになってしまいますが、
こうしたリスクがあまり怖くなくなってしまっている自分が、
逆にちょっと怖いです。


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2008年5月21日(水)

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