第936回
マイカーのナンバー規制、復活!

北京オリンピック・パラリンピック期間中、
北京市はマイカーのナンバー規制を行い、
ナンバーの末尾が奇数の車は奇数日のみ、
偶数の車は偶数日のみしか走れないことにしました。
これにより期間中、市内の渋滞と大気汚染は明らかに減少、
非常に快適に過ごすことができました。

しかし、パラリンピックが終了し、
ナンバー規制が解除されるやいなやマイカー族が車に乗り始め、
市内の渋滞はオリンピック開催前の状態に戻ってしまい、
空気も明らかに汚くなりました。

こうした状況を見た北京市政府は、
先週土曜日11日から来年4月10日まで、
マイカーのナンバー規制を復活させることにしました。
但し、今回のナンバー規制は偶数奇数の規制ではなく、
「月曜日はナンバーの末尾が1と6の車は走行禁止」
というような比較的緩いものです。
しかし、それでも市内を走るマイカーは
20%減少することが見込まれており、
渋滞緩和と大気汚染防止に一定の効果が期待されています。

そして「せっかくマイカーを買ったのに、
規制で乗れない日の損失はどうしてくれるんだ!」
というマイカー族の批判に備えて、
今回のナンバー規制には
マイカーの所有者が納めている自動車税などの
1ヶ月分の減税が抱き合わせで発表されました。

更に、民に20%の規制を求めるなら自分たちは30%だ、
ということで、マイカーのナンバー規制開始と同時に、
政府、党機関の公用車の使用を
30%削減する措置も打ち出しました。
また、予想される地下鉄やバスの
朝の通勤ラッシュを緩和するために、
北京市政府は市内の各企業に対して
時差出勤の実施を求める通知も出しました。

北京市政府も最近は頭ごなしに規制をするのではなくて、
市民の反感を買わないように
配慮の行き届いた政策を打ち出すようになりました。
この辺はさすがです。

最初はオリンピック開催のために始まった
マイカーのナンバー規制ですが、
その経験を生かして渋滞緩和や大気汚染防止の
政策を進めることは大変良いことだと思います。

今後もこうした良い「オリンピック効果」で、
中国が住みやすい国になっていくことを期待しています。


←前回記事へ

2008年10月13日(月)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ