第938回
メラミン牛乳と三笠フーズの共通点

メラミン牛乳被害は日本にも広がる気配を見せています。

丸大食品が青島の子会社で
製造した食品からメラミンが検出され、
日本で中国産食品の安全性への不安が再び高まっています。
日本のニュースでも
「中国製の食品は怖いので絶対に食べない」とか、
「今後は国産の食品しか買わない」といった
街中でのインタビューが流されています。

中国には今年1月の毒入りギョーザ事件という
前科がありますので、
そういう反応をされてしまっても
仕方ないかなとも思うのですが、
ただ、ちょっと引っかかるのは
「本当に中国産の食品は全部危険で、
日本国産の食品は全部安全なのか」ということです。

中国のメラミン混入牛乳事件と時を同じくして、
日本では三笠フーズ事件が発生しました。
大阪の三笠フーズという会社が、
工業用にしか使ってはいけない有毒な事故米を、
儲けのために食用として流通させていたのです。

「一部の不心得者が目先の利益のために
有毒な食品を流通させた」という点では、
2つの事件の本質は同じです。

三笠フーズ事件だけでなく、日本では近年、
数々の食品偽装事件が明るみに出ています。
不二家、ミートホープ、白い恋人、赤福、
比内鶏、船場吉兆、一色産うなぎ、などなど。
これでも「中国産の食品は食べずに、
日本国産の食品だけを食べていれば安心」
と言えるのでしょうか。

中国だからとか日本だからということではなく、
どこの国にも目先の利益に目がくらんで
犯罪に手を染める輩はいるのです。

こうした世の中で食の安全を確保するためには、
中国でも日本でも不心得者に
「こうした犯罪は誘拐と同じで、必ず摘発されて、
非常に重い罪を課されるので割に合わない」
と思わせるような万全の検査体制と厳しい罰則を
用意することが必要なのではないかと思います。


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2008年10月17日(金)

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