第946回
中国人材5段階説

これは中国で起業しても
日本で起業しても同じことだと思うのですが、
創業社長1人でできることには限りがありますので、
会社を発展させていくには
優秀な人材が確保が不可欠です。

しかし、中国では
優秀な人材はすぐに自ら起業してしまったり、
他の企業が囲い込んで人材マーケットに出て来なかったり、
やっと雇ったと思ったら同業他社に引き抜かれてしまったり、
ということがよくありますので、
優秀な人材の確保は日本より
はるかに難しいのではないかと思います。

私は12年前に丸紅の北京支店で
マネージャーとして初めて部下を持ってから、
起業して現在に至るまで、
様々な人材を採用し一緒に働いてきましたが、
人材には大きく分けて
以下の5つのレベルがあると思うようになりました。

1.言われたこともやらない人
2.言われたことだけをやる人
3.自分で仕事を探して自律的に働く人
4.チームをまとめてその結果に責任を負う人
5.新規の事業を立ち上げてその結果に責任を負う人

1の言われたこともやらない人はもう論外であり、
おカネをもらっても雇いたくない人材です。
この1は国有企業出身者に多く見られる
「いかに働かずに給料をもらうか」
ということばかり考えているタイプと、
あえて指示には従わずに自分勝手な判断で
仕事をするタイプに分かれますが、
どちらにしても会社に損失を与えることには
変わりはありません。

2の言われたことだけをやる人は、
何しろ自分に与えられた仕事さえこなせば、
同僚がどんなに忙しくて毎晩夜中まで残業していようが、
それをしり目に5時になればさっさと帰ってしまう人たちです。
このタイプの人たちに
チームワークの重要性を説いても理解してもらえず、
その人の業務範囲以外の仕事をやらせようとすると
露骨にいやな顔をされます。

3の自分で仕事を探して自律的に働く人は、
日本にはいくらでもいますが、
中国では希少な高級人材に属します。
この3の人材が何人いるかで、
上司である管理職の負担は大きく変わってきます。

日本では企業の管理職の過大な負担が問題となっていますが、
3の人材を多く部下に持つ日本の管理職は、
1・2の人材をうまく使いこなしていかなければいけない
中国の管理職に比べれば、
まだ恵まれているのではないかと私は思います。


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2008年11月5日(水)

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