第1010回
中国では「初物」は避けよ!

日本では江戸時代に
「初物を食べると75日寿命が延びる」
と言われていたせいかはわかりませんが、
食べ物に限らず「マンションを買うなら新築で」とか、
「レストランに行くなら新しく開店したところに」という、
いわゆる「初物好き」の人が多いように思います。
しかし、こと中国に関しては「初物」は避け、
他の人に揉んでもらってある程度こなれた
中古のものにした方が良い場合が多いように思います。

例えばマンション。
中国では新築マンションに住むとろくなことが起こりません。
私は北京で起業した時に、
住み慣れた日本人向け高級アパートメントの高い家賃を払えず、
郊外の新築マンションに引っ越したのですが、
入居当初からお湯が出ない、暖房が効かない、
備品が壊れるなどなど散々な目に遭いました。

その度にそうしたものを直す仕事をしている
物業管理公司に電話するのですが、
何日経っても来てくれません。
物業管理公司に何度電話しても埒があきませんので、
入居した時にその物件を紹介してくれた
不動産仲介会社に電話すると
「それは大家に言え」と言われますし、
大家に電話すると
「それは物業管理公司に言え」と言われてしまいます。

起業したてで会社がうまくいかず、
ただでさえ気分が落ち込んでいるのに、
家に帰って水しか出ないシャワーで凍えながら髪を洗い、
物業管理公司や大家と
電話で怒鳴りあいをしなければいけない生活は
本当に疲れました。

結局、そのマンションは1年で退去してしまったのですが、
1年間の怒鳴りあいの結果、
随分といろいろなところを直しましたので、
次に入居した人はさぞや楽だったのではないかと思います。

確かにまっさらの新築マンションに住むのは
気持ちの良いものです。
しかし、中国でマンションに住む場合には新築の物件よりも
他の人がさんざん苦労して住環境を整えてくれた後の
中古マンションに住んだ方が良いように思います。


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2009年4月1日(水)

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