第1027回
「大魯店銀座商業街」

今、当社の倉庫で全く予想外のことが起こっています。

商業用倉庫もトランクルーム「我・的・空・間」も
ゆっくりとですがお客様が増えつつあり、
倉庫スペースは徐々に埋まりつつあるのですが、
それより先に15個あった店舗スペースが
既に全て埋まってしまったのです。

当社の倉庫には全部で7棟の建物があるのですが、
入り口の門に向かって左側の1棟の通りに面した部分には、
15個の店舗スペースを設けました。

当初、私はこの店舗スペースは
誰も借りてくれないだろうと思っていました。
なぜなら、当社の倉庫がある
大魯店村(だーるーでぃえんつん)は、
金魚の養殖で有名なことと、
北京天津第2高速道路から近いので最近倉庫が増えている、
ということ以外は、何の変哲もないド田舎の農村だからです。
こんなド田舎に店舗スペースを作っても、
お客さんは来ないだろうと思ったのです。

しかし、ふたを開けてみれば、
昨年の北京オリンピック・パラリンピック終了後ぐらいから、
薬屋さん、紙屋さん、売店などが続々と入居、
今ではスペースが全て埋まってしまったにも関わらず、
「店舗スペースを貸りたいのですが」
という問い合わせがまだまだ来る状態です。

今から10年後、2020年ぐらいになれば、
大魯店村も北京のベッドタウンとして
住宅地化しているだろうから、
店舗スペースの需要も出てくるのではないか、
とは思っていましたが、
まさかこんなに早く店舗需要があるとは思っていませんでした。

そこで調子に乗った当社は、
入り口の門に向かって右側の建物も改造して、
通りに面した部分を店舗スペースにすることにしました。
改造費用は結構かかりますが、
店舗スペースは商業用倉庫よりも
はるかに利益率が高いですので、
スペースが埋まればすぐに元は取れると考えています。

そして更に、この右側の店舗スペースも
すぐに埋まってしまうようであれば、
私は倉庫業はもう止めにして、
倉庫全体を改造して商店街にすることも考えています。
その場合、商店街の名前は
私の中ではもう既に決まっています。

名付けて「大魯店銀座商業街
(だーるーでぃえんいんずおしゃんいえじえ)」。

北京の東二環路・東直門に
「東方銀座(どんふぁんいんずお)」という
ショッピングモールがあることからもわかる通り、
「銀座」は日本随一の商業街として
中国の人たちの間でも有名です。
その「銀座」にあやかった名前の商店街であれば、
店舗を借りたい人も増えるのではないでしょうか。

一方の日本にも「○○銀座商店街」
と名付けられた商店街は全国各地にありますが、
その多くは大手スーパーの進出により青息吐息となり、
昼間からシャッターを下ろした店が目立つ
「シャッター通り商店街」になってしまっているようです。

しかし、中国の田舎では
大手スーパーがカバーできていない地域は
まだまだたくさんあります。
そんな地域で倉庫を改造した
家賃の安い「銀座商店街」を展開することは、
これから結構おもしろい
ビジネスモデルになり得るのかもしれません。


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2009年5月11日(月)

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