第1097回
「京論壇−次世代が語る日中の本音」

先日、私は北京大学に行って、昨年に引き続き今年も
「京論壇」の学生のみなさんにレクチャーをさせて頂きました。

「京論壇」()とは2005年に結成された
北京大学と東京大学の学生による国際学生討論団体です。
毎年、北京大学と東京大学の学生それぞれ10数名が、
東京と北京に1週間ずつ滞在し、
「歴史認識」、「安全保障」、「ビジネス文化」など
日中間に横たわる様々な問題について、
何のしがらみもない学生の立場から、
お互いの共通言語である英語を使って本音で徹底討論する、
という活動をしています。

昨年7月には、2006年、2007年の討論の内容をまとめた
「東京大生×北京大生 京論壇
−次世代が語る日中の本音」
(明石書店)
という本を出版しています。

この本は東京大学側の実行委員会が執筆したのですが、
すばらしい内容の本です。
北京大学の学生との打ち合わせや討論を通じて、
お互いの考え方の違いに驚き、
しかし、期限内に何とか議論をまとめなければいけない
プレッシャーと戦いながら悪戦苦闘する姿が
リアルに描かれています。

京論壇に参加している東京大学の学生は、
専攻もまちまちで、中国の専門家ではありませんが、
この本は中国の専門家と称する人たちが
日中どちらかの立場から一方的に書いた本よりも
ずっと日中関係の本質を突いていると私は思います。

日中関係について学びたいと考えている方にとっては、
非常に良質な入門書であると思いますので、
ご一読をおススメ致します。


 http://jingforum.org/jp/index.html


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2009年10月21日(水)

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