第1112回
H1N1流感

中国の新型インフルエンザの累計患者数は増え続け、
10万人に迫る勢いです。

日本では1週間の患者数が150万人を超えた、
というような報道がありましたので、
それと比べると、中国は今のところ新型インフルエンザの
蔓延阻止に成功している、とも言えるのですが、
私が住む北京でも死者が出始めており、
これから本格的な冬を迎えるに当たって非常に不安です。
ちなみに中国では新型インフルエンザのことを、
「H1N1流感(あいちいーえぬいーりゅうがん)」と呼びます。

私の次女と三女が通う北京日本人学校も先月、
十数人の生徒が発熱のため休みましたので、
学校全体が1週間の休校となりました。
私が住んでいるアパートメントもその間、
不要不急の外出が禁止され、
ちょっとした戒厳令のような状態でした。

北京市では10月下旬から優先対象者130万人に対して、
新型インフルエンザワクチンの接種が始まっていましたが、
先週からは北京市の戸籍を持つ3歳以上の全ての市民を対象に、
市内402ヶ所の指定場所で無料の予防接種が始まりました。

私たち外国人についても、外資系の病院に行けば、
無料で予防接種をしてもらえるようなのですが、
申し込みが殺到しているらしく、
いつ順番が回ってくるかはわかりません。

こうした予防接種で予防ができれば
それに越したことはないのですが、
万一、高熱が出てしまった場合、
中国で病院に行くのはちょっと勇気がいります。
なぜなら、中国の病院は高熱が出た人が来たら
十把一絡げで隔離してしまうそうですので、
実は季節性インフルエンザだったり、
単なる風邪だったりしても、
隔離されたときに他の患者さんから
新型インフルエンザをうつされてしまいそうです。

また、病気を見てもらう以前の問題として、
中国系でも外資系でも高熱があると
病院に入れてさえもらえないこともあるようですので、
やはりここ中国では、国や病院などはあてにせず、
「自分の身は自分で守る」という姿勢で臨む必要がありそうです。

このため、私も先日、
新型インフルエンザにも効くと言われている
タミフルを買ってきました。
日本では実際にインフルエンザにかかって、
お医者さんに処方箋を書いてもらわないと
入手できないようですが、
中国では病院で備蓄用として買うことができました。
ありがたいことです。

後は食糧を買い込んで、
新型インフルエンザが蔓延したときの
篭城に備えるだけですが、
願わくば、ワクチンの接種により蔓延が防がれ、
「タミフルも食糧も準備したけどムダだった」
と言えるようになってほしいものです。


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2009年11月25日(水)

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