第1158回
「淘宝網」の勝ち組と負け組

「知彼知己者、百戦不殆
(ぢーびーぢーじーぢゃ、ばいぢゃんぶーだい)」

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」 by 孫子。

単なる思いつきで「淘宝網」に店を開き、
案の定、開店休業状態となってしまっている
私のアクセサリーのお店ですが、
孫子の大切な教えをすっかり忘れておりました。
まずは敵を知らなくてはいけません。

そこで、私は「淘宝網」に出店している、
他のアクセサリーのお店を偵察してみることにしました。

例えば、イヤリング。
中国語でイヤリングは耳環(あーるほぁん)と言うのですが、
「淘宝網」で「耳環」のキーワードで検索をすると、
200万点以上の商品が出てきます。

値段的には韓版(はんばん)と呼ばれる
韓国製のものが数十元(数百円)、
中国製のものは数元(数十円)で売られています。
中には1元(13円)のイヤリングもあるのですが、
送料は別建てで15元(195円)などと書いてあり、
逆に消費者の購買意欲を削ぐのではないか、
と他人事ながら心配になってしまう商品もあります。

お店の中に入ってみると、どのお店も写真を多用し、
実にわかりやすくその商品の魅力を説明しています。
多くのお店は数十点の商品を出品しているのですが、
商品1点1点にあれだけ充実した商品説明を加えるのは
かなりの時間と労力がかかったのではないかと思います。

しかし、それだけの苦労をしているであろうにも関わらず、
多くの商品は全く売れていないようです。

「淘宝網」では各商品に
「過去30日で売れた個数」が表示されるのですが、
ほとんどの商品はその表示がない、
つまり、30日間1つも売れていないのです。

一方でよく売れている「人気」のコーナーを見ると、
同じようなイヤリングでも、
過去30日で500個とか700個とか、
とんでもない数が売れている商品もあります。

中国ではレストランでもそうですが、
同じ商品を売っていても、
たくさん売れている店にはお客さんが殺到し、
閑古鳥が鳴いているお店には人が寄り付かない、
という傾向があります。

見たところ、どうも
「淘宝網」でもその法則は生きているようです。
一握りの「勝ち組」が大儲けする一方、
そうした儲け話を聞いて
「オレも「淘宝網」で一儲けしてやろう!」
と後から出店してきた
大多数の「負け組」は全く商品が売れず、
いつまで経っても開店休業状態を続けていく、
という構図になっているのです。


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2010年3月12日(金)

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