第1197回
政治に何かを期待するな!

日本ではあと1ヶ月ほどで参議院議員選挙が行われます。

日本のニュースを見ていると、日本の世論は
誕生から約9ヶ月が経過した民主党政権に
早くも失望するとともに、
では、自民党に政権の座に戻ってもらいたいか、
というとそれもイヤだ、という、
どうしたらよいのかわからないような状態になり、
政治に対する失望が深刻化しています。

しかし、仕事帰りに同僚と一緒に
居酒屋に寄ったサラリーマンが、
「民主党にはがっかりだな」とか、
「自民党はもうダメだな」などと
政治に対する失望の話をつまみに酒を飲むのは、
裏を返せば、やはり、
政治が自分たちの生活を良くしてくれるのではないか、
という政治に対して何らかの期待をする気持ちが
あるからなのではないかと思います。

中国では、そうした席で
政治の話が話題になることはまずありません。

中国共産党一党独裁体制で、
政治の話をしても政権が変わるわけではありませんし、
へたに共産党の批判などしようものなら、
誰が聞いているかわからない、
ということもあるのですが、
もっと根本的な問題として、
みんな政治には何の期待もしていないどころか、
あまり関わりあいになりたくない、
と考えているためなのではないかと私は思います。

中国では政治は、自分たちの生活を
良くしてくれることを期待する存在ではなく、
どちらかというと、
せっかく自助努力でうまくいっている生活を
邪魔しに来てほしくない、と考えて、
なるべく関わりあいを避けたい存在です。
当社も法律がコロコロ変わって対応に苦慮したり、
工商局の役人に踏み込まれて怖い思いをしたり、
という経験はありますが、開業から9年間、
中国政府に具体的に
何かで助けてもらったという記憶は1つもありません。

ただ、中国の人たちが政治に全く興味がないか、
というとそういうことでもありません。
政策が決まるプロセスには全く興味がないのですが、
決まった後に発表される政策については、
全精力を傾けて情報収集、分析を行い、
その政策の下で最もうまく立ち回るためには
どうすれば良いかを必死になって考えます。

日本は国民主権の民主主義国家ですので、
国民1人1人が国の政治について考えることは
非常に大切だとは思います。
しかし、政治に何かをしてもらおうと期待するのではなく、
中国の人たちのように
政治には期待せずに自助努力でおカネを稼ぎ、
政治にはなるべく邪魔をされたくない、
と考えるぐらいの方が健全なのではないか、
と私は思います。


←前回記事へ

2010年6月11日(金)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ