第1213回
「秒殺」で1元マンションゲット!

以前からちょっと気になっていたのですが、
「淘宝網(たおばおわん)」で買い物をしていると、
やたらと「秒殺(みゃおしゃー)」という単語を見かけます。

私は「秒殺(びょうさつ)」と聞くと、
格闘技の世界で秒単位で相手を倒してしまうことを
思い浮かべてしまうのですが、
「淘宝網」における「秒殺(みゃおしゃー)」とは、
どうも超破格の値段の目玉商品を
射止めることを言うようです。
超破格の値段の目玉商品は
文字通り数秒でなくなってしまうので、
「秒殺」と言うのだそうです。

「秒殺」のために出品される商品は様々ですが、
パソコンやデジカメが1元(13.5円)で売り出されるなど、
ほとんど利益度外視のプレゼント状態です。
先日は、30万元(400万円)相当のマンション1室が
1元で出品され、7万1,000人が殺到、
湖北省武漢市の青年が早い者勝ちの激戦を制して、
1元マンションをゲットしました。

なぜ、「淘宝網」のお店は「秒殺」商品を出品するのか?

1元でパソコンやデジカメ、
果てはマンションまでゲットした消費者は大喜びですが、
お店側はこんなタダ同然の値段で高額商品を売って
何かメリットがあるのでしょうか。

それはやはり「まずはお客さんに
お店に来てもらわないと始まらない」
ということであるようです。
これは、スーパーの目玉商品戦略と同じです。
「卵1パック50円」という目玉商品を売れば、
その目玉商品単品は赤字でも、
目玉商品目当てで殺到したお客さんが
ついでに買う他の商品で利益が出るのです。
そして更に、今まで来店したことがないお客さんが
目玉商品のおかげで店を認知してくれれば、
次回また買い物に来てくれるかもしれません。

逆に言えば、そんなことでもしなければ、
100万店以上あるお店の中から、
消費者に自分のお店を探し出してもらうことは
難しいのでしょう。

しかし、日本のスーパーでも近所のおばちゃんが、
大赤字の1パック50円の卵「だけ」買って
帰ってしまうように、
「淘宝網」でも「秒殺」商品「だけ」を狙って、
「淘宝網」の中を徘徊している人も多いようです。
中には、ヒマな大学生アルバイトを大量に雇って、
成功報酬で「秒殺」商品を
ゲットさせる人までいるようです。

「淘宝網」でモノを売るのって、本当に大変です。


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2010年7月19日(月)

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